プルメリアは熱帯地域で栽培されている、色鮮やかで上品な雰囲気をもつ魅力的な花です。そんなプルメリアの種類や特徴、花言葉や香りなどについて紹介します。
特徴
科名 | キョウチクトウ科 |
英語名 | Plumeria Frangipani Temple tree |
開花期 | 6月~10月 |
色 | 赤、白、黄、ピンク、複色 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
おすすめの環境 | 日当たりと水はけのよい場所 |
その他の特徴 | プルメリアの名前の由来は、フランスの植物学者シャルル・プリュミエ(Charles Plumier (1646~1704))によって発見されたことから、彼の名にちなんでつけられた 英語名の「Temple tree(テンプルツリー)」の由来は、インドやタイなどアジアの一部の 地域では、死者に手向ける花とされていて、寺院や墓地などに植えられていることから つけられた 葉や枝などを切った時に出る白い乳液は、かぶれの原因になる成分が含まれているので注意 が必要 園芸作業の際は手袋を着用したほうがよい 別名は、「フランジパニ」、「インドソケイ」、「テンプルツリー」、「テンプルフラワ ー」、「パゴダツリー」などと呼ばれている |
栽培のコツ | 日本の気候は寒暖差があるため、移動可能な鉢植えにして、冬は室内で管理するのがおすすめ 庭植えは、根付いた後は特に水やりをする必要はないが、10月中には掘り起こして鉢植え にする 鉢植えは、土が乾いてきたら水やりをする 乾燥に強く、過湿の状態だと根腐れを起こしやすいため、水の与えすぎに注意する 強風が吹くと、花や葉が崩れることがあるため、強風の当たらない場所で管理する < 季節ごとの水やりの目安 > 春…葉が出始める時期から、土が乾いたら表面を濡らす程度に水やりをする 夏…土が乾きやすくなるので、葉や茎にもかけるようにしてたっぷりと水やりをする 秋…土が乾いたら表面を濡らす程度に水やりをする 冬…葉が黄色く変化してきたら落として水やりも減らしていき、葉が全て落ちたら断水して 休眠させる(気温が15℃を下回る頃) |
花言葉
プルメリアの花言葉は、「気品」、「情熱」、「日だまり」、「恵まれた人」、「内気な乙女」です。
種類
プルメリアの種類は豊富で、200~300種類ほどあるといわれています。
プルメリアは、ハワイではレイフラワーとして最も人気が高く、農園で多く栽培されています。他にもハワイアンキルトやジュエリー、インテリア、雑貨類などのモチーフにハワイを代表する花として使われていて、人々に親しまれています。

プルメリアの代表的な種類をいくつか紹介します。
プルメリア・オブツサ
キューバやメキシコが原産の品種。高さは3〜8m。花色は白色で、中央部分が黄色。葉は葉先が丸く、光沢があり濃い緑色。熱帯では基本的には常緑だが、冬の低温下では落葉する。別名は、「シンガポールプルメリア 」と呼ばれている。

プルメリア・ルブラ(インドソケイ)
メキシコやパナマが原産の品種。高さは2〜8m、10mほどに生長することもある。花色は赤色、白色、黄色、ピンク色、オレンジ色。葉先が尖っていて、冬になると落葉する。多くの交配種が作られている。

プルメリア・アルバ
プエルトリコやカリブ海周辺が原産の品種。高さは6〜7.5m。花色は白色で、中央部分が黄色。別名は、「シロバナインドソケイ」と呼ばれている。

花の香り
プルメリアの花は、南国をイメージさせる甘い芳香があり、古くから香料の原料として利用されています。精油は採油率が非常に少ないため、希少で高価なものとなっています。一般的に販売されているものには、他の香りを混ぜたものや、合成香料を使用したものもあります。
プルメリアの精油は、主に「プルメリア・アルバ」から、有機溶剤抽出法という方法で抽出されます。
<有機溶剤抽出法の流れ>
① | 揮発性の有機溶剤(エタノールやヘキサンなど)に常温で植物を浸けて、芳香成分を溶かし出す |
② | その後、溶剤と植物を取り除くと、「コンクリート」と呼ばれる芳香成分と天然のワックス成分 などが含まれたペースト状のものが残る |
③ | エチルアルコールでコンクリートから芳香成分を溶かし出して、ワックス成分と分離する |
④ | 最後に、エチルアルコールを除いて抽出されたものが「アブソリュート」と呼ばれる精油になる |
※ | 有機溶剤抽出法は、熱や水に弱いデリケートな植物から精油を抽出する場合に行われる方法 この抽出方法は、精油に有機溶剤の成分が残る場合があるので、基本的には香りを楽しむように して、直接肌への使用は避けた方がよい |
プルメリアの香りは、花色により印象が異なります。香りの違いや成分、効能について紹介します。
花色ごとの香りの違い
白 | 柑橘系やジャスミンのような香り バニラのような香りの品種もある |
赤 | 爽やかなレモンの香り |
黄 | ピーチのような甘い香り |
ピンク | 柑橘系で優雅な甘い香り |
主な成分と効能
リナロール | 鎮静作用や、不安や緊張を和らげる抗不安作用、抗菌・殺菌作用などがある |
ネロリドール | リラックス効果や鎮痛、鎮静、抗炎症、抗酸化作用などがあり、肌の保湿効果もある |
酢酸ベンジル | 気分を高揚させる効果や、抗鬱効果、リラックス効果、安眠作用などがあり、女性ホルモンの バランスを整える効果もある |
香りを楽しむ方法
プルメリアの香りを堪能するには、芳香浴(ほうこうよく)がおすすめです。
芳香浴とは、精油の香りを空気中に拡散させて楽しむことです。
ディフューザーを使う
ディフューザーとは、香りを拡散するための器材のことで、様々な種類があります。
リードディフューザー | アロマオイルなどを入れたボトルに、スティックを数本差して浸透させる |
加熱式ディフューザー | 水を張った皿にアロマオイルを数滴垂らして、キャンドルなどの熱で気化 させる キャンドル式を「アロマポット」、電気式を「アロマランプ(アロマライ ト)」という |
超音波式アロマディフューザー | 水にアロマオイルを数滴垂らしたものを、超音波でミスト状にして拡散 させる |
気化式アロマディフューザー | アロマオイルをそのまま細かい粒子状にして拡散する |
スチーム式アロマディフューザー | 水にアロマオイルを数滴垂らしたものを、加熱して蒸気とともに拡散 させる |
車用アロマディフューザー | 車で芳香を楽しむもので、シガーソケットに差し込むタイプやエアコンの 吹き出し口にセットするタイプがある |

その他の方法
アロマペンダント | ペンダント型のアロマ芳香器で、ペンダントヘッドにアロマオイルを入れて使う |
アロマストーン | 素焼きの陶器や石にアロマオイルを数滴垂らして、近くに置いて香りを楽しむ |
アロマスプレー | 市販のものや自作のアロマスプレーを使って、香りを拡散させる |
アロマキャンドル | 市販のものや自作のアロマキャンドルを灯して、香りを楽しむ |
他にも、ハンカチやマスクにアロマオイルを垂らして利用するなど、芳香浴はいろいろな楽しみ方があります。
利用の際の注意点
プルメリアを利用する際は、気を付けておきたい点があります。
・鎮静作用により、血圧降下作用があるため、低血圧の方の利用は注意が必要です。
・妊娠中・授乳中の利用については、控えたほうがよいとされています。

プルメリアは、南国で古くから親しまれてきた花で、見た目の美しさだけでなく、香りには人々を癒す効果があります。プルメリアの香りを、自分好みの方法で楽しんでみてはいかがでしょうか。