アネモネは、鮮やかな見応えのある大きな花を咲かせて、春の庭に彩りを与えてくれる花です。
ヨーロッパでは神話などに登場する植物で、古くから親しまれています。
アネモネの特徴や種類、育て方について紹介します。
特徴
科名 | キンポウゲ科 |
英語名 | Anemone |
生育サイクル | 多年草 |
開花期 | 2月~5月 |
色 | 赤、白、青、紫、ピンク、複色 |
原産地 | ヨーロッパ南部から地中海沿岸 |
おすすめの環境 | 日当たりが良く、風通しや水はけの良い場所 |
その他の特徴 | 名前の由来は、ギリシャ語で「風」を意味する「anemos(アネモス)」からきている アネモネが春のそよ風に揺れる姿や、種が風に乗って遠くへ飛んでいく様子から、風を 意味する名前がつけられたといわれている 光と気温に反応しやすい植物で、明るいと花が開き、暗くなると閉じる性質をもつ 暖かい環境では開花しやすいため、涼しくてあまり日が当たらない場所で育てると 花を長く楽しめる 様々な色をした花弁のように見える部分は、実は萼(ガク)1である 寒さに強いが霜には弱く、高温多湿にも弱い 全草に「プロトアネモニン」という物質が含まれていて、茎を切った際に出てくる液体 に触れると、皮膚炎や水疱を引き起こしてしまうため、お手入れする際は手袋を着用した ほうがいい 別名は、「花一華(ハナイチゲ)」、「牡丹一華(ボタンイチゲ)」、「紅花翁草(ベニバナ オキナグサ)」などと呼ばれている |
栽培のコツ | 庭植えは、水やりは降雨にまかせる 鉢植えは、植え付け時は湿らせた土に球根を植えるため、4~5日ほど水やりは不要だが、 その後は土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをする 花後は水やりを控えめにして、乾燥気味にする < 夏越しの方法 > ・球根を掘り上げる場合 地上部(葉や茎など)が枯れてきたら、球根を休眠させるため、茎を2~3cm残して切り取り、 球根を掘り上げて乾燥させた状態で、通気性の良い袋に入れて保管する ・球根を掘り上げない場合 地上部の茎を切り取り、鉢植えを雨に濡れない日陰に置いて、乾燥させた状態で保管する (暑い時期に土が濡れたままの状態で保管すると、球根が腐敗してしまうため注意が必要) アネモネは、冷たい空気に当たらないと花芽をつけないため、室内で育てる場合でも、一度 屋外に出して寒さに当てて芽吹かせる必要がある(5℃以下が目安) 球根は、尖っている方を下向きにして植える(植え付け適期:10~11月頃) 植え付ける際に、球根がカラカラに乾いている場合は、湿らせたバーミキュライトに 球根を一週間ほど埋めて、徐々に吸水させてから植え付けると発芽しやすくなる (乾いた球根をそのまま植えると、急激に吸水して腐敗しやすくなるため注意が必要) |
花言葉
全体の花言葉と花の色ごとの花言葉があります。
全体 | はかない恋、恋の苦しみ、見捨てられた、見放された |
赤 | 君を愛す |
白 | 真実、期待、希望 |
青 | 固い誓い |
紫 | あなたを信じて待つ |
ピンク | 待ち望む |
種類
アネモネは品種が多く、現在も新たに品種改良が行われていて、100種類以上あるといわれています。
一重咲きや八重咲き、矮性種や高性種など、咲き方の種類も豊富です。
アネモネの代表的な品種を紹介します。
デカン
フランス原産で19世紀に作出された一重咲きの品種。草丈は約20~40cm。花色は、赤色、白色、紫色、ピンク色など。切り花用の品種として多く出回っている。
セントブリジッド
アイルランド原産で19世紀に作出された八重咲きの品種。草丈は約20~40cm。花色は、赤色、白色、青色、ピンク色など。花弁の先が尖っているのが特徴。
ポルト
一重咲きで、花径は約10cmの大輪種。草丈は約20〜30cm。花色は鮮やかな色から淡い色まで、様々な色が楽しめる。他の品種に比べて草丈は低いが、色彩豊かで大きな花を咲かせるのが特徴。鉢植えで育てるのにも向いている。八重咲きの品種もある。


モナリザ
八重咲きで、花径は約10cmの大輪種。草丈は約50〜60cmと、アネモネの中で最も高性の品種。支柱を使って育てるとよい。花色は青色や紫色など様々ある。増やす際は分球しにくいため、種や苗から育てるほうがよい。切り花として人気が高い。

モナーク
八重咲きで、小輪種。草丈は約10〜20cm。花色は、赤色、白色、青色、ピンク色など。
ブランダ
一重咲きで、草丈は約10〜15cm。花色は、白色、青色、紫色、ピンク色など。菊のように細い花弁が特徴。山野草のような雰囲気をもつ。

アネモネは、品種ごとにそれぞれ違った雰囲気を持っています。

アネモネは、光の加減や気温などの生育環境により、動きのある花姿を楽しめる植物です。
品種や咲き方の種類が多いため、好みの花姿を求めていろいろな種類を育ててみたり、切り花やドライフラワー、押し花などにして飾ったりするのも楽しいですね。
- 萼(がく)とは・・・花の一番外側の部分で、花びらを囲む器官や葉の変形したもの ↩︎