クアッカワラビーの魅力を徹底解説

Quokka1 動物図鑑
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愛嬌たっぷりな表情で人々を魅了する、クアッカワラビーの魅力について紹介します。

特徴

正式名称クアッカワラビー
英語名Quokka
Short-tailed pademelon
Short-tailed wallaby
分類カンガルー目 カンガルー科
生息地オーストラリア南西部
体長40cm~50cm
体重2kg~4kg
性格人懐っこい、社交的、臆病
その他の特徴いつも口角が上がっていて、笑顔に見えることから「世界一幸せな動物」として知られて
いる
基本的には夜行性だが、日中に活動する個体もいる
寿命は10年ほど
別名は、「クオッカ」と呼ばれている
チャームポイントキュッと上がった口角つぶらな瞳ぬいぐるみのような姿

生態

クアッカワラビーは、西オーストラリア州にのみ生息する固有種です。数十頭~100頭を超える群れになり、湿原などで生活をする、ワラビーの仲間です。

ワラビーとは、カンガルーの小型種の呼称です。一般的に体重が25kg以下がワラビー(体長:~75cm)で、それ以上はカンガルー(体長:115cm~)と区別されています。また、中型種としてワラルー(体長:75cm~115cm)と呼ばれる種類もあります。それぞれの種類に生物学上の違いはなく、平均的な大きさで区別されています。

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クアッカワラビーのスマイル♪

絶滅の危機

クアッカワラビーは、西オーストラリア州の本土に約3,000頭、南西部にあるロットネスト島に約10,000~12,000頭ほど生息しているといわれている。

かつては西オーストラリア州の本土にも広く生息していたが、人間による森林伐採や森林の自然火災による生息地の減少、人間が連れてきたキツネやネコなどによる捕食、害獣扱いされて狩猟の対象になったことなどが原因で、その数は激減していった。

クアッカワラビーは現在、「レッドリスト(国際自然保護連合(IUCN)が作成している絶滅危惧種のリスト)」に登録されている。

主な生息地であるロットネスト島全域は、自然を積極的に保全するために重要な区分であるA級自然保護区に指定された国立公園になっていて、自然や生態系を保護するための厳しい規制が設けられている。

体のつくり

クアッカワラビーは、ワラビーのなかでも小型の種類といわれていて、雄のほうが雌よりも体が大きい傾向がある。

笑顔のヒミツ

クアッカワラビーのチャームポイントである笑顔は、固い草などを食べるために顎が発達したため、口角が上がり、笑っているように見えるといわれている。

しっぽのヒミツ

しっぽに脂肪を蓄えることができるため、食料や水が不足する時期でも、しばらくの間生きることが出来る。

食事

クアッカワラビーは、草食動物で主に葉や芽や果実、樹皮などを食べる。

出産と子育て

クアッカワラビーは、有袋類の草食動物で、雌はお腹に育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋をもっている。有袋類は発達した胎盤を持っていないかわりに、袋の中で赤ちゃんを育てる。妊娠期間は約30日ほど。生まれて間もない赤ちゃんは大きさが約1cmで、袋の中で母乳を飲んですくすくと育ち、半年ほどすると袋から顔を出して外の世界に徐々に慣れていく。

生息地について

クアッカワラビーの主な生息地であるロットネスト島の名前は、17世紀に島に上陸したオランダ人がクアッカワラビーをネズミと勘違いして、「ネズミの巣の島(Rats Nest Island)」と名付けたことに由来している。

ロットネスト島は、一般車両の走行が禁止されているため、島へはフェリーで行き、島内では自転車や巡回バス、電動カートなどが主な移動手段になる。

島内には野生のクアッカワラビーがいたるところにいて、間近で見たり、一緒に写真を撮ったりすることができる。その際には、クアッカワラビーに触れたり、エサを与えることは禁止されていて、違反すると罰金が科せられることがある。

人懐こいクアッカワラビーは、自ら寄ってきて挨拶してくれるので、撮影のチャンスは意外と多く、観光客に大変人気が高い。

日本でも見られる?

クアッカワラビーは、オーストラリアだけではなく、実は日本でも見ることができます。

日本国内でクアッカワラビーが見られる動物園は、埼玉県こども動物自然公園のみです。

2020年3月に開園40周年を記念して、オーストラリアのフェザーデール野生生物園から、4頭のクアッカワラビーが贈られました。現在は繁殖して徐々に頭数が増えてきています。公開時間が決められていて、日によって異なるため、お出かけの際にはホームページで確認しておくといいようです。

どうしてもオーストラリアまで行って見てみたい!という方でなければ、埼玉県こども動物自然公園でその可愛らしい姿をご覧になってみてはいかがでしょうか。

人々を癒してくれる、クアッカワラビーの笑顔が今後も末永く見られるように、オーストラリアでは保護活動が行われています。もし実際に生息地でクアッカワラビーを観察する機会があれば、ルールをきちんと守ることも保護活動の一環として心がけていきたいですね。