クチナシ(梔子)は、ジンチョウゲ(沈丁花)、キンモクセイ(金木犀)と並んで、「三大香木」と呼ばれています。
夏の開花期になると、庭や公園などで、純白の花から漂う甘い香りが印象的な植物です。
クチナシの特徴や花言葉、種類について紹介します。
特徴
科名/属名 | アカネ科 クチナシ属 |
英語名 | Cape jasmine Gardenia |
分類 | 常緑低木 |
開花期 | 6月~7月 |
色 | 白 |
原産地 | 日本および東アジア |
おすすめの環境 | 日当たりや風通しのよい場所 |
その他の特徴 | 名前の由来は、果実が熟しても割れないことから、「口が開かない実」→「口無し」と いわれている 基本種は一重咲きだが、八重咲きが花姿の華やかさから人気が高い ジャスミンに似た甘い香りがする 乾燥させた果実は、古くから漢方薬や、繊維を染める染料として使われてきた 果実には、カロテノイド系の色素が含まれていて、天然色素として栗きんとんやたくあん、 和菓子などの着色に利用されている また、果実は漢方薬では「山梔子(さんしし)」といい、止血、鎮痛、利尿作用などがある 果実ができるクチナシは、一重咲きの品種で、園芸用に改良された八重咲きの品種は結実 しないといわれている |
栽培のコツ | 庭植えは、降雨に任せて、乾燥する日が続くようであれば水やりをする 鉢植えは、水切れに注意して、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをする |


花言葉
クチナシの花言葉は、「とても幸せです」、「洗練」、「優雅」、「喜びを運ぶ」です。
種類
クチナシの種類について紹介します。
クチナシ
クチナシの基本種。東アジア原産。樹高は100〜200cm。
花色は咲き始めは白色だが、のちにクリーム色に変化して、落ちる前には褐色になる。
花径は5〜8cmほどで、花には甘い芳香がある。花期は6~7月。
合弁花類1のひとつで、筒状の花の先端が5~7つ(主に6つ)に分かれる。
一重咲きの品種が基本だが、八重咲き(ヤエクチナシ)もある。
一重咲きの品種は、果実ができる。
葉は厚く、表面に光沢がある。
果実の大きさは3cmほどの楕円形で、先端には6本の萼(がく)がついている。
果実は、11~12月頃になると黄赤色に熟すが、熟しても割れない。


コクチナシ(ヒメクチナシ)
クチナシの変種。東アジア原産。樹高は30〜50cm。基本種と比べると、全体的に小さい。
幹が多く枝分かれして、横に這う性質がある。
花色は白色。花径は3〜4cmほどで、花には甘い芳香がある。花期は6~7月。
合弁花類のひとつで、筒状の花の先端が5~7つ(主に6つ)に分かれる。
基本的に一重咲き(ヒトエノコクチナシ)だが、八重咲きの品種(ヤエコクチナシ)もある。
一重咲きの品種は、果実ができる。
葉は細長く、表面に光沢がある。
果実の大きさは1cmほどの楕円形で、先端には6本の萼(がく)がついている。
果実は、11~12月頃になると黄赤色に熟すが、熟しても割れない。
グランドカバーや鉢植えなどに使われる。


ヤエクチナシ(オオヤエクチナシ)
クチナシの八重咲きの園芸品種で、花は基本種と比べると、やや大きい。
樹高は100〜200cm。花径は10cm前後で、花に強い芳香がある。花期は6~7月。
八重咲きの品種は、実をつけることはほとんどない。

マルバクチナシ
樹高は30〜40cm。
基本種と比べて葉が小さく、先端が丸い。花もやや小さく、花径は3cmほど。
花期は5月と10月。

クチナシの香りや花姿の美しさを、庭先や鉢植えで育てて、身近で堪能してみるのも素敵ですね。
- 合弁花類とは … 花弁が根本で1枚につながっている双子葉植物(種から2枚の葉がでる植物)のこと ↩︎