ゴマフアザラシといえば、プックリとした丸い体形で横たわる姿が、何とも言えず可愛らしくて癒されます。ゴマフアザラシの生態や特徴などについて紹介します。
特徴
正式名称 | ゴマフアザラシ |
英語名 | Spotted Seal |
分類 | 食肉(ネコ)目 アザラシ科 |
生息地 | 北半球の北方海域 |
体長 | 150cm~200cm |
体重 | 70kg~150kg |
性格 | 好奇心が強い、警戒心が強い |
その他の特徴 | 名前の通り、銀灰色の体にゴマのような黒い斑点模様が特徴で、模様は個体ごとに異なる 寿命は約25~30年 妊娠期間は1年で、通常は1産1子、子育ては母親が行う 耳の部分は穴だけで耳たぶはない |
チャームポイント | ずんぐりとした丸っこい体形、丸い目 |

生態
ゴマフアザラシは、ベーリング海やオホーツク海、日本海や黄海などに生息しています。冬になると流氷とともに移動するアザラシであるため、日本では北海道で、オホーツク海から流氷とともに南下してきた野生のゴマフアザラシを見ることができます(12月~3月頃まで)。ほとんどのゴマフアザラシは、流氷が終わる頃になると北上を始めます。一部、流氷が去っても留まる個体もいます。
普段は個々に散らばって生活していますが、繁殖期になると、周辺海域から集まってきて岩場などに大きな群れ(コロニー)を作ります。
そして、ゴマフアザラシは日本各地にある動物園や水族館でも飼育されています。
ゴマフアザラシの生態について、いくつか紹介します。
流氷で子育て
ゴマフアザラシは、流氷の上で出産や育児を行う。出産は2~4月頃が多く、子育て期間は約3週間ほど。生まれて間もない赤ちゃんアザラシの体重は約10kgで、体は「ホワイトコート」と呼ばれる白色やクリーム色の毛に覆われていて、流氷の上では目立たない保護色になっている。栄養豊富な母乳を飲んで大きく成長していく。
生後2~4週間で産毛が抜けて、大人と同じゴマ模様に変化する。この時期になると、母乳を飲まなくなり、生後間もない頃の倍以上の体重になっている。やがて自力でエサを取り、単独で行動するようになる。

食事
食性の幅が広く、主に魚やイカやタコ、エビやカニなどをつかまえて丸飲みする。
動物園では、魚(アジやサバ、シシャモなど)を食べている。
体の特徴
ゴマフアザラシの体は固く短い毛で覆われていて、年に一度、全身の毛が生え変わる換毛期(3月~5月頃)がある。
視力はあまり良くなく、聴覚や嗅覚に頼って行動している。
ヒゲ
ヒゲは「感覚毛」と呼ばれるもので、水の振動を鋭く感じ取り、深い海にいる獲物や、氷上の天敵であるホッキョクグマの動きなどを水中で察知することができる。
体脂肪
寒冷な海が生息地であるゴマフアザラシの体脂肪率は50%以上もあり、分厚い皮下脂肪が海中や氷上での体温維持に役立っている。
四肢
ゴマフアザラシはアザラシ科に属しているが、アシカ科、セイウチ科とともに、四肢が遊泳に適応するようにヒレ状になっているため、「鰭脚類(ききゃくるい)」に分類されている。
四肢にはそれぞれ5本の指があり、指の間に水かきが付いていて、ヒレ状の平たい形をしている。
前肢は小さくて、鋭い爪がついている。
後肢は、前方には曲げられず、常に後方に向いている。
ゴマフアザラシが地上で移動する時は、前肢を補助的に使い、後肢は浮かした状態でお腹をつけて這うようにして移動する。
水中の動き
ゴマフアザラシは、体が水の抵抗を受けにくい流線形で、前足を体につけて後ろ足を左右交互に動かして、素早く自由自在に泳ぐのが得意である。
一日の大半を水中で過ごすが、水中に入る際は鼻や耳の穴を閉じている。潜水が得意で、鼻と耳の穴を閉じて息を吐き、肺から空気を出しきることで高い水圧に適応して、海の深くまで潜ることができる。また、豊富な酸素を体内に蓄えられるため、長時間潜水し続けることが出来る。水中で眠ることもある。

ゴマフアザラシは、生息地である寒冷な海域に適応するために様々な体の特徴を兼ね備えています。

ゴマフアザラシのずんぐりとした可愛らしい見た目や、陸上や水中での特徴的な動きなどを見に、動物園や水族館などへ出かけてみてはいかがでしょうか。