ナデシコと聞いて思い浮かぶのは、「大和撫子(やまとなでしこ)」という言葉ですが、古くから日本人女性の奥ゆかしさや頼もしさ、美しさを兼ね備えた姿を表しています。
女性の美しい姿に例えられるほど魅力的なナデシコについて、特徴や花言葉、種類などを紹介します。
特徴
科名 | ナデシコ科 |
英語名 | Dianthus Gillyflower Pink |
生育サイクル | 多年草 |
開花期 | 4月~8月(四季咲きの品種もある) |
色 | 赤、白、黄、黒、ピンク、複色など |
原産地 | ヨーロッパ、アジア、北アメリカ、南アフリカ |
おすすめの環境 | 日当たりや水はけのよい場所 |
その他の特徴 | 耐寒性は強いが霜に当たると傷みやすく、高温多湿に弱い 根が発達して根詰まりを起こしやすいため、鉢植えで育てる場合は毎年植替えが必要 |
栽培のコツ | 庭植えは、降雨に任せて土が乾いたら、たっぷりと水やりをする 鉢植えは、土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをする |
花言葉
全体の花言葉と花の色ごとの花言葉があります。
全体 | 純愛、大胆、貞節 |
赤 | 純粋で燃えるような愛 |
白 | 器用、才能 |
ピンク | 純粋な愛 |
種類
ナデシコは、ナデシコ科ナデシコ属の総称で、世界中に約300種類の品種が分布しています。カーネーションも同属の植物ですが、カーネーションを除いたナデシコ属の植物を「ナデシコ」と呼んでいます。
カワラナデシコ(ナデシコ、ヤマトナデシコ)
草丈は約30~50cm。花色は赤色、白色、ピンク色、複色。花期は6~8月。花弁の先端に深い切れ込みが入っているのが特徴。秋の七草の一つ。
古くから日本各地に自生しており、万葉集にも詠まれている。日本国内で「ナデシコ」と言えば、この品種をさすことが多い。

アメリカナデシコ(ビジョナデシコ、ヒゲナデシコ)
ヨーロッパ原産。草丈は約30~60cm。花色は赤色、暗紅色、白色、ピンク色、オレンジ色、紫色、黒色、複色など豊富。花期は5~6月。茎の先に小さな花をたくさん咲かせる。ほのかに甘い芳香がある。
「アメリカナデシコ」は、ヨーロッパ原産だが、アメリカ経由で日本に入ってきたのが名前の由来といわれている。別名にある「ヒゲナデシコ」は、苞(ほう)と呼ばれる花を保護する葉のようなものが、ヒゲのように細長い様子から名づけられた。

タツタナデシコ
ヨーロッパ原産。草丈は約15~40cm。花色は赤色、白色、ピンク色。花期は4~7月。白色を帯びた灰緑色の葉を密に茂らせて、花の中央に輪状の模様があるのが特徴。カーネーション等の園芸品種の親として利用されている。

ヒメナデシコ
ヨーロッパ原産の小型の園芸品種。草丈は約15~30cm。花色は赤色、白色、紫色、ピンク色。花期は4~7月。こぼれ種でも良く増えて、地面を覆うように広がって育つ。

ハマナデシコ(フジナデシコ)
日本や中国が原産。草丈は約15~50cm。花色は白色、ピンク色。花期は6~11月。茎の下部が木質化する。
ハマナデシコは、海岸にある崖や砂地などに自生していることから名付けられた。

セキチク(カラナデシコ)
中国原産。草丈は約30~50cm。花色は赤色、白色、ピンク色。花期は4~7月。平安時代に中国から日本に渡来した。四季咲き性(年間を通して開花する性質)で、カーネーションの親として利用されている品種。

テルスター
草丈は約10~25cmで矮性種。花色は赤色、白色、紫色、複色など豊富にある。セキチクとアメリカナデシコの交配種で、四季咲き性の品種。暑さや寒さに強いため、育てやすい。

花はな
草丈は約5~10cmで、超極矮性の園芸品種。四季咲き性の品種。花色は赤色、白色、紫色、ピンク色、黒色、複色など豊富にある。花期は3~11月。生長するにつれてボール状のこんもりとした草姿になり、さらに地面を覆うように広がって育つ。
ナデシコの品種は他にも数多くあります。それぞれ特徴があり、その魅力も多彩です。

ナデシコは、様々な花姿で可憐な美しさを見せてくれる植物です。
四季咲き性の品種を植えて花を長く楽しんだり、好きな品種の切り花を部屋に飾ったりしてみてはいかがでしょうか。