ハスは、静かな水上に葉を広げて美しい花を咲かせる幻想的なイメージがあります。仏教界では、ハスは極楽浄土に咲く、仏教が理想とする在り方を体現した花とされています。そんなハスの特徴や花言葉、種類などを紹介します。
特徴
科名 | ハス科 |
英語名 | Lotus |
生育サイクル | 多年草 |
開花期 | 7月~9月 |
色 | 白、黄、ピンク |
原産地 | インド、中国、オーストラリア、日本 |
おすすめの環境 | 日当たりがよい場所を好む |
その他の特徴 | 花は早朝に咲き、昼になると閉じる。開花期間は4日間ほど 地下茎(地中を水平に伸びる茎)は、レンコン(蓮根)で、食用にできるものとそうでないもの がある 観賞用のハスのレンコンは、小さくて食用にならない 別名は、「蓮華(れんげ)」、「ハチス」、「水芙蓉(みずふよう)」、「不語仙(ふごせん)」、 「池見草(いけみぐさ)」などと呼ばれている |
栽培のコツ | 水生植物のため、庭植えでは栽培できない 鉢植えでは、丸い鉢に半分ほど土を入れて、新芽を上にして浅めに埋めて、水位10cm~ 20cmくらいになるまで水を注ぐ あまり日が当たらない場所に置くと花が咲きにくくなるため、日当たりがよく暖かい場所で 管理するとよい 夏には水を多く消費するため、水切れには注意する 水に浸して育てるため、水を腐らせないよう、こまめに水を交換する |
花言葉
全体の花言葉と花の色ごとの花言葉があります。
全体 | 清らかな心、神聖、休養、沈着 |
白 | 潔白、純潔 |
ピンク | 信頼 |
種類
ハスは、水中に「塊茎(かいけい)」と呼ばれる茎の根元を作り、水上に茎を伸ばし、葉や花をつけます。この塊茎がレンコン(蓮根)になりますが、レンコンとして流通する「食用蓮」と、観賞用の「花蓮」の2種類に大きく分けられます。
他にも花色や花の大きさ、咲き方などで分類されています。それぞれの分類方法についてまとめました。
<花色>
ハス (ヌシフェラ種(Nelumbo nucifera)) | ピンク色、白色 |
キバナハス (ルテア種(Nelumbo lutea)) | 黄色 |
<花の大きさ>
小輪 | 9~15cm |
中輪 | 16~25cm |
大輪 | 26cm以上 |
<咲き方(花弁の枚数)>
一重咲き | 25枚より少ない |
半八重咲き | 25~50枚程度 |
八重咲き | 50枚以上 |
ハスの主な品種をいくつか紹介します。
大賀蓮(オオガハス)
花色は、咲き始めは鮮やかなピンク色で、だんだん色が薄くなり、散る頃には白っぽく変化する。花径は23~28cm。花弁数は15~18枚の一重咲き。花期は6月中旬~7月下旬。
1951年、千葉市旧検見川町にあった東京大学厚生農場(現 検見川総合運動場)で、大賀一郎博士を中心に2000年以上前の地層を掘り進めて発見されたハスの種子を、発芽、育成した個体に由来する品種。別名は「古代蓮(コダイハス)」、「二千年蓮」などと呼ばれている。

黄花蓮(キバナハス)
ミシシッピ川流域から南米北部に自生している。花色は黄色。花径は23~26cm。花弁は18~22枚の一重咲き。日本の気候や土壌に合わず、花付きもあまり良くないため、日本ではあまり栽培されていない。江戸時代から多くの園芸品種があり、園芸に向くようにヌシフェラ種と交雑されてきた。別名は「アメリカハス」と呼ばれている。
開花は4日間のみ
ハスの開花期間は4日間といわれています。朝に開花して、昼過ぎには閉じて、を繰り返します。
1日目 | 全開せずに蕾がやや開いた状態で、昼頃には閉じてしまう |
2日目 | 朝のうちに開花して、昼には閉じてしまう |
3日目 | 午前中に開花して、午後になって閉じ始めるが、半開のままで終わる |
4日目 | 午前中に開花するが、次第に散り始めて午後には完全に散る |
ハスの花を見に行く際は、午前中の早い時間帯がおすすめです。
ロータス効果
ハスの葉は、表面がロウのような成分で覆われていて、無数の突起があるのが特徴です。葉に水が落ちた時に広がらず、水滴の状態で葉の上を滑り落ちて、葉に付着した汚れや虫などを除去します。こうしたハスの水を弾く様子を「ロータス効果」と呼びます。ロータス効果は、衣類や調理器具などに施されるテフロン加工や、ヨーグルトのフタや他にも様々な製品の防汚性、防油性、撥水性などの効果に応用されています。

ハスの葉の特徴が、現代の先端技術に役立てられています。
自然のもつ力は素晴らしいですね。

ハスの神秘的な雰囲気は、昔から人々を魅了してきました。ハスのもつ、どこか繊細で儚い美しさを堪能しに出かけてみてはいかがでしょうか。