ハリネズミの魅力と注意点について

harinezumi 動物図鑑
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ハリネズミは、危険が迫ると体を丸めて、背中にある針で身を守る行動が知られています。

コロンと丸まった時に、すき間から見える表情は、何とも言えない可愛らしさがあります。

ハリネズミの特徴や魅力、飼う際の注意点などを紹介します。

特徴

正式名称ハリネズミ
英語名Hedgehog
分類真無盲腸目(しんむもうちょうもく) ハリネズミ科 ハリネズミ亜科
生息地アフリカ、ヨーロッパ、中近東、東アジア(日本含まない)、ロシア、インド
体長約23~32cm
体重0.8~1.5kg
性格臆病、警戒心が強い、マイペース
その他の特徴ネズミと名がつくが、実はモグラの仲間
夜行性で夜中から早朝までの時間帯に活動する、日中は暗い巣穴で休んでいる
寿命は、野性下では約1~3年、飼育下では5~8年ほど
生後6カ月も経たないうちに、成体に育つ
お腹は柔らかい毛で覆われている
木登りや泳ぐことが上手で、素早く動ける
1度に平均して約3~4匹の赤ちゃんを出産する
チャームポイントつぶらな瞳、肉球
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ハリネズミ
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丸まったハリネズミ

生態

ハリネズミは、主にアフリカやヨーロッパ、中近東、東アジア、ロシア、インドなどの森林や草原、砂漠等の乾燥地帯に生息しています。

基本的には群れを作らず、単独行動を好みます。繁殖期のみ、つがいで行動します。

体の大きさは、オスの方がメスよりも一回り大きい傾向があります。

目はほとんど見えていませんが、優れた嗅覚をもち、聴覚も鋭く、超音波を感知できるといわれています。

音に敏感なので、もし飼う場合はリラックスできるように、静かな環境を整えてあげると良いようです。

その他のハリネズミの魅力や生態について紹介します。

しつけは難しい

ハリネズミは警戒心が強いため、飼い主に慣れるまで時間がかかる。

はじめのうちは針毛を立てたり、噛んだりするかもしれないが、焦らず徐々にコミュニケーションを取ることで、個体差はあるが、名前を呼ぶと寄ってきたり、素手で抱っこできたりするほど慣れてくる。

ハリネズミにトイレを覚えさせることは難しいが、個体によっては、自分の排泄物の臭いがする場所や、隅っこに排泄する習性を利用することで、トイレトレーニングができる場合もある。

食性

食性は雑食性で、ミミズや昆虫、カエルやヘビ、ネズミ、小鳥や、果実、種子などを食べる。

飼育する場合は、エサとして、ハリネズミ用フードやにんじん、キャベツ、リンゴ、バナナなども食べる。

好き嫌いがはっきりしていて、今まで食べていたものを突然嫌がることもある。

背中の針

ハリネズミの背中に生えている針は、体毛が硬化したもので、5,000本以上あるといわれている。

危険を察知すると、威嚇して針を立てたり、背中の筋肉を収縮させることで体を丸めて、ボール状の姿勢になって身を守ったりする。

背中の針は、外敵から身を守ること以外にも、樹上などから落下した際に衝撃を吸収する役目も果たす。

リラックスしている時は、針を倒している状態なので、慣れてきたら毛並みに沿って撫でることもできる。

ハリネズミのスマイル

温度・湿度管理が重要

ハリネズミは、野性下では気温が低くなると冬眠して、砂漠などでは夏眠して、寒さや暑さ、乾燥から身を守っている。

飼育下で冬眠や夏眠をすると、そのまま目覚めなくなってしまうことがあるため、室内の温度や湿度の管理には注意したほうがよい。

ハリネズミにとって快適な気温は22~27℃ほどで、湿度は40~60%といわれている。

現在、日本で飼育可能な種類は「ヨツユビハリネズミ」のみで、この種類は冬眠はしないが、気温が低いと低体温症になったり、高温だと夏眠したり、熱中症になることもあるため、様子をみながら室温や湿度の調整をする必要がある。

ハリネズミ特有の行動

ハリネズミは、未知の臭いや味を察知すると、「アンティング」という特殊な行動をとる。

アンティング」とは、ハリネズミが未知の物を舐めて、口の中で泡状のだ液と混ぜて、背中やわき腹の針に塗り付ける行動のことをいう。

なぜそうした行動をとるのか、理由はわかっていない。

種類

ハリネズミは、5属16種もの種類があります。

日本では「ヨツユビハリネズミ」以外の種類は、「特定外来生物1」または「未判定外来生物2」に指定されています。

そのため、現在、日本でペットとして飼育できるのは「ヨツユビハリネズミ」のみとなっています。

代表的な種類をいくつか紹介します。

ヨツユビハリネズミ

生息地は中央アフリカの乾燥地帯。日本で唯一ペットとして飼える種類。体長は18〜22cm。

前足の指は5本で、後ろ足の指が4本であることが特徴。基本的に臆病な性格。

さまざまなカラーバリエーションがある。

別名は、「ピグミーヘッジホッグ」と呼ばれている。

ナミハリネズミ

生息地はヨーロッパ全域。体長は20〜30cm。

寒冷地に住んでいるため、冬眠する習性がある。

2005年12月に「特定外来生物」に指定された。

別名は、「ヨーロッパハリネズミ」と呼ばれている。

アムールハリネズミ

生息地はアジアの森林や草原など。体長は24~28cm。

日本の一部地域(静岡県、神奈川県など)でも野性化、定着が確認されている。

18℃以下で冬眠し、30℃以上で夏眠するといわれている。

2005年12月に「特定外来生物」に指定された。

別名は、「マンシュウハリネズミ」と呼ばれている。

オオミミハリネズミ

生息地は中近東や中央アジアの暑くて乾燥している地域。体長は約17~30cm。

うさぎのように大きくて長い耳が特徴。放熱して体温を調整する役割があるといわれている。

現在は「未判定外来生物」に指定されている。

別名は、「ミミナガハリネズミ」と呼ばれている。

ハリネズミは、以前は複数の種類(ナミハリネズミやアムールハリネズミなど)が飼育可能でしたが、飼い主が飼育しきれずに野外に放したり、脱走したりして野生化した個体が、従来の生態系に影響を与える恐れがあるため、現在はほとんどの種類が特定外来生物などに指定され、飼育等が制限されています。

もし、ハリネズミの飼育に興味があれば、その特徴をよく理解して、最後まで面倒を見られるかを検討したうえで決めることをおすすめします。

  1. 特定外来生物とは … 生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす、又は及ぼすおそれがある外来生物(元々の生息地域ではない地域に、人によって持ちこまれた動物や植物)のなかでも、規制(輸入、放出、飼養等、譲渡し等の禁止など)や排除の対象として指定された生物のこと ↩︎
  2. 未判定外来生物とは … 生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす疑いがあるか、実態がよくわかっていない外来生物のこと。未判定外来生物を輸入する場合、主務大臣への届出が必要になる。主務大臣は、その未判定外来生物が生態系等へ被害を及ぼすおそれがあるか否かを判定して結果を通知する必要があり、この通知が出るまでは、輸入が制限される。 ↩︎