ラベンダーの特徴や魅力を徹底解説!

lavender 花図鑑
記事内に広告が含まれています。

ラベンダーといえば、広大なラベンダー畑で色彩豊かな風景を楽しんだり、香りで心身共にリラックスしたり、人々に癒しを与える代表的な植物です。ラベンダーのもつ特徴や魅力について紹介します。

特徴

科名シソ
英語名Lavender
開花期4月~9月(四季咲き性(生育に必要な気温があれば、1年中花を咲かせる性質)の系統もある)
紫、白、ピンク
原産地地中海沿岸
おすすめの環境日当たりと水はけや風通しのよい場所を好む
その他の特徴日本各地で栽培可能であるが、高温多湿が苦手なため、一年を通して涼しい地域である北海道
特に栽培に適した地域で、富良野はラベンダーの名所として有名である
栽培のコツ過湿を嫌うため、水やりの際は花や葉ではなく、根元に水をかけるようにする
庭植えでは、基本的には水やりの必要はないが、土の乾燥が続くようなら水やりをする
鉢植えでは、夏は土が乾いたらたっぷりと水やりをするが、冬は霜による根の損傷を避ける
ため、昼間に控えめに行う
雨が続く時期は、鉢植えは軒下などに移動させて、雨に当てないようにするとよい
開花している間は、水切れがおこらないように注意する
ラベンダーは3年ほど育てると新芽が付きにくくなり、枯れやすくなるため、挿し木をして
株を増やしていくとよい

花言葉

ラベンダーの花言葉は、「沈黙」、「期待」、「清潔」、「不信感」、「疑惑」です。

種類

ラベンダーの種類は、大きく6系統に分類されています。品種ごとに香りや耐暑性、耐寒性など、様々な特徴があります。

それぞれの系統ごとの特徴を紹介します。

アングスティフォリア系(イングリッシュラベンダー)

ラベンダーの代表的な品種。別名「コモンラベンダー」とも呼ばれている。花色は紫色や白色。香りが強く、華やかで甘い香りがする。耐寒性があり高温多湿に弱いため、日本では北海道や東北などの寒冷地での栽培に適していて、関東以西では地植えは難しいとされている。「イングリッシュラベンダー」と呼ばれるが、イギリス原産ではなく、イギリスの気候のような冷涼な土地で自生することから名づけられた。開花時期は4月~6月。観賞用以外にも、ハーブやドライフラワー、ポプリ、香水や料理の香りづけなど様々な形で利用されている。

englishlavender
イングリッシュラベンダー

ストエカス系(フレンチラベンダー)

別名「スパニッシュラベンダー」とも呼ばれている。ウサギの耳のような苞葉(ほうよう(花を包む変形した葉))が特徴。花色は紫色、青色、ピンク色、白色、赤色など。香りはやや弱い。耐暑性があり寒さに弱いため、暖地でも栽培しやすい。開花時期は4月~6月。観賞用やドライフラワーに向いている。

frenchlavender
フレンチラベンダー

プテロストエカス系(レースラベンダー)

レースのような切れ込みが入った葉が特徴。観賞用として開発された品種。花色は紫色や青色。ラベンダー特有の香りはしない。寒さに弱いため、氷点下にならない暖地での栽培には向くが、寒冷地での栽培はあまり向かない。四季咲き性のため、花後に根本から切るなどして上手に育てると1年を通じて花を楽しめる。

laceavender
レースラベンダー
lacelavender'sleaf
レースラベンダーの葉

スパイカ系(スパイクラベンダー)

ポルトガル及びスペイン、フランス、イタリアが原産の品種。別名「ヒロハラベンダー」とも呼ばれている。花色は紫色や青色で灰色を帯びている。香りは、イングリッシュラベンダーに比べて甘さがなく、樟脳(しょうのう)の含有量が多いため、薬品のようなすっきりとした強い印象がある。耐暑性が強い。開花時期は6月~9月。医薬品や防虫剤などに利用されている。

ラバンディン系

アングスティフォリア系(イングリッシュラベンダー)とスパイカ系(スパイクラベンダー)の交雑種。花色は紫色や青色、ピンク色、白色など。草丈が高く、花穂が長いのが特徴。耐暑性や耐寒性が強く、育てやすい品種のため、初心者向きで、暖地での栽培にも向いている。開花時期は6月~7月。花がたくさん咲くため、精油(エッセンシャルオイル)用として広く栽培されている。観賞用やポプリ、ドライフラワーなどに利用されている。

lavandin
ラバンディン系

デンタータ系

スペイン、北アフリカなどの地中海沿岸が原産で、ストエカス系(フレンチラベンダー)から派生した品種。別名「フリンジドラベンダー」とも呼ばれている。花色は紫色。葉の縁に細かい切れ込みがあるのが特徴。香りはやや弱い。耐暑性が強く、暖地での栽培にも向いている。開花時期は基本的には5月~7月だが、株が成長すると、四季咲き性が強くなる(高温期と低温期を除く)。観賞用やポプリ、ドライフラワーなどに利用されている。

dentata
デンタータ系

効能

ラベンダーは「ハーブの女王」と呼ばれていて、薬草や香草としての人気が高く、ポプリや精油など、用途に応じて商品は多岐にわたります。

古代エジプト時代には、ミイラ作りに使われる香料として栽培されていて、ローマ時代には、入浴剤として使われたり、洗濯に利用されたりしていました。ラベンダー(Lavender)の語源は、ラテン語の「洗う(lavare、またはlavo)」からきているといわれています。

古くから人々に親しまれてきた、ラベンダーの効能について紹介していきます。

<主な成分>

ラベンダーの花や茎、葉を水蒸気蒸留で抽出した精油は、香料や香水、アロマテラピーなどに利用されている。

ラベンダーの精油には、フルーツに似た甘い香りの「酢酸リナリル」と、フローラルな香りの「リナロール」という芳香成分が多く含まれている。

酢酸リナリルには、興奮を抑える鎮静作用や、痛みを抑える鎮痛作用などがある。リナロールには、鎮静作用や、不安や緊張を和らげる抗不安作用、抗菌・殺菌作用などがある。

①リラックス効果

鎮静作用がある酢酸リナリルやリナロールが多く含まれているため、ストレスによる怒りや不安、緊張を和らげて気分を安定させるリラックス効果に優れている。ラベンダーの香りを嗅ぐことによって、自律神経のバランスが整えられて、ストレスの解消や安眠、血圧の低下などの効果が期待できる。

②鎮痛作用

酢酸リナリルは、精神を安定させる「セロトニン」の分泌を促進する働きもある。セロトニンには、痛みを感じにくくする効果があり、頭痛や胃痛、筋肉痛や生理痛、肩こりや腰痛などを緩和する鎮痛作用が期待できる。

③肌トラブルの改善

ラベンダーには、抗菌・殺菌作用や抗炎症作用があり、さらに皮膚組織の再生を促す作用もあるため、軽いやけど、小さな切り傷や、ニキビ、あせも、水虫、虫刺されや日焼けなど、様々な肌トラブルの改善に効果があるとされている。

また、シミやシワ、くすみの改善にも有効といわれている。

④免疫力がアップする

「①リラックス効果」にある通り、自律神経のバランスが整うことにより、免疫力を高める効果もある。 風邪やインフルエンザ、気管支炎など、呼吸器系の病気の予防に効果的といわれている。

⑤防虫効果

リナロールは、虫が嫌う成分で、蚊やハエ、蛾、ダニやノミなどの虫除けに効果が期待できる。

利用の際の注意点

ラベンダーを利用する際は、使用方法や使用量の目安に準ずれば、禁忌はないとされていますが、気を付けておきたい点もあります。

・鎮静作用により、血圧降下作用があるため、低血圧の方の利用は注意が必要です。

・種類によっては、通経作用(生理を促す作用)があるため、妊娠初期の利用は控えましょう。妊娠初期に限らず、妊娠中・授乳中の利用についても、確実に安全性が認められるまでは、なるべく控えたほうがよいとされています。

・直接肌に使用した際に、アレルギー反応が起こる場合があるため、事前にパッチテストをしてアレルギー反応が無いことを確認した上での利用が推奨されています。

ラベンダーを利用の際は、使用法を確認してから利用しましょう。不安な点があれば、かかりつけ医等に相談してください。

人々は古い時代から、ラベンダーのもつ様々な効能を生活に取り入れてきました。現代の私達もラベンダーの癒し効果を上手に利用して、生活に潤いを与えられたら素敵ですね。