リンドウは、青紫色の花が美しい、秋の訪れを告げる植物です。
リンドウの特徴や、花言葉、種類について紹介します。
特徴
科名/属名 | リンドウ科 リンドウ属 |
英語名 | Gentian |
生育サイクル | 多年草 |
開花期 | 9月~11月 |
色 | 赤、白、青、紫、ピンク、複色 |
原産地 | 日本、中国、朝鮮半島、シベリア |
おすすめの環境 | 日当りと水はけの良い場所 (ただし、夏場は葉焼けを防ぐため、明るい日陰で管理したほうがよい) |
その他の特徴 | 多くの種類は、晴れた日に開花する性質をもつ 地下茎や根の部分は漢方薬として利用されてきたが、あまりに苦く、まるで竜の胆(肝)のよう と例えられて「竜胆(りゅうたん)」と名付けられたが、後に音読みの『リンドウ』に変化した ことが名前の由来になっている 別名は、「胃病草(イヤミグサ)」、「疫病草(エヤミグサ)」などと呼ばれている |
栽培のコツ | 庭植えは、乾燥が続く場合は水やりをする 鉢植えは、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをする 一度水切れによって乾燥させてしまうと、葉が傷んで回復しにくいため、水切れには注意する |
花言葉
全体の花言葉と花の色ごとの花言葉があります。
全体 | 悲しんでいるあなたを愛する、正義、誠実、勝利 |
青、紫 | 満ちた自信 |
白 | 貞操、誠実な人柄 |
赤、ピンク | 愛らしい |
種類
リンドウは、世界に約400種類以上あり、日本国内には20種類近くが自生しているといわれています。
秋に咲く種類が多いですが、品種改良が進み、春に咲く種類もあります。
秋咲きリンドウと春咲きリンドウのそれぞれの種類について紹介します。
秋咲きリンドウ
リンドウ(竜胆/Gentiana scabra var. buergeri)
リンドウは、リンドウ属の総称としても使われるが、そのうちの1変種のことをいう場合が多い。
一般的にリンドウといわれるのはこの種類。
日本原産で、本州から四国、九州の山地や丘陵地に分布している。
草丈は20~90cm。花色は青紫色、白色、ピンク色など。
花の長さは3.5~5cm。笹の葉に似た葉をもつ。花期は9~11月。
晴れた日にのみ開花する。
別名は、「ササリンドウ」、「ササバリンドウ」などと呼ばれている。

エゾリンドウ(蝦夷竜胆)
日本原産で、北海道から本州近畿以北の湿地に分布している。
北方に多いことから「蝦夷」と名付けられた。寒さに強く、暑さに弱い傾向がある。
草丈は30~100cmの高性種。花色は青紫色。
花の長さは3~4cm。花期は8~10月。
晴れた日にのみ開花する。
切り花として流通しているリンドウは、エゾリンドウの園芸品種であることが多い。
まれに白花種(シロバナエゾリンドウ)が咲くこともある。

オヤマリンドウ(御山竜胆)
日本原産で、北海道から本州中部以北の亜高山帯の湿地や草地に分布している。
草丈は30~60cm。花色は紫色。花の長さは2~3cm。
花弁はフリル状になっていて、全開しない。花期は7~9月。
花は晴れた日に少し開く。
エゾリンドウに似ているが、少し小さい。

エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆)
日本原産で、北海道から本州中部以北の亜高山から高山帯の湿地や草地に分布している。
エゾリンドウの高山型変種。
草丈は15~40cm。花色は濃い青紫色。花の長さは3~4cm。
花は茎の先端のみにつき、花弁は全開しない。
花期は8~10月。
花は晴れた日に少し開く。
まれに白花種が咲くこともある。

アサマリンドウ(朝熊竜胆)
日本固有種。本州(紀伊半島南部・中国地方)から四国、九州の山地に分布している。
三重県の朝熊山(あさまやま)で発見されたことが名前の由来。
草丈は10~25cm。花色は青紫色。花の長さは4~5cm。
花期は9~11月。
晴れた日にのみ開花する。
茎が地面を這うようにして伸びる。
春咲きリンドウ
ハルリンドウ(春竜胆)
日本原産の二年草で、北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島や中国の湿原や草原に分布している。
春になると芽吹くことが名前の由来。
草丈は5~15cmの矮性種。花色は青紫色。花の長さは2~3cm。
花期は3~5月。
晴れた日にのみ開花する。
まれに白花種(シロバナハルリンドウ)が咲くこともある。

フデリンドウ(筆竜胆)
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島や中国、ロシアの乾いた山地や草地に分布している。
一本の茎に複数の花を咲かせる。晴れた日にのみ開花する。
曇天や雨天の際、花が蕾のように閉じる性質があり、その姿が筆のように見えることが名前の由来。
草丈は5~10cmの矮性種。花色は青紫色。花の長さは2~3cm。
花期は3~5月。

チャボリンドウ(矮鶏竜胆)
ヨーロッパアルプス原産。
エーデルワイス、アルペンローズと並ぶ、「アルプス三大名花」の1つ。
草丈は約10cm。花色は濃い青紫色。花の長さは4~5cm。
茎が短いのが特徴で、花弁の内側に黒っぽい斑点とオリーブ色の筋が入る。
花期は5~7月。
まれに白花種が咲くこともある。

他にもリンドウの種類は数多くあります。
花の開き方や色など、個性豊かな種類のあるリンドウの中から、いくつかお気に入りを見つけて切り花を部屋に飾ったり、育てたりしてみるのはいかがでしょうか。