ハボタン(葉牡丹)は、正月飾りや花束、寄せ植えなどに利用されています。寒さに強く、花が少なくなる冬の庭に植えると、ハボタンの色づいた葉が華やかで存在感があります。
そんなハボタンの種類や特徴、花言葉などを紹介します。
特徴
科名 | アブラナ科 |
英語名 | Flowering kale Ornamental kale Ornamental cabbage |
生育サイクル | 多年草 |
開花期 | 3月~5月 (観賞期:11月~3月) |
色 | 赤、白、ピンク、紫、緑、クリーム、黒 |
原産地 | ヨーロッパ |
おすすめの環境 | 水はけと日当たりの良い場所 |
その他の特徴 | ハボタン(葉牡丹)の名前の由来は、色彩豊かな葉が美しく重なった姿を牡丹の花に見立てた ことからきている 秋の気温が低くなった頃に色づき始めて、冬の寒さにあたるとより鮮やかに色づく性質をもつ 但し、暖かい室内で育てたり、肥料が多い状態だと綺麗に発色しないことがある 北風や霜には弱く、枯死することがあるため注意が必要 カラーリーフ(花だけではなく、葉の色を楽しむ植物)として親しまれている 別名は、「花キャベツ」、「牡丹菜(ボタンナ)」などと呼ばれている |
栽培のコツ | 庭植えは、根付くまではたっぷりと水やりをして、その後は乾燥が続かなければ、降雨に まかせる 鉢植えは、土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりをする |

花言葉
花言葉は、「祝福」、「慈愛」、「利益」、「愛を包む」、「物事に動じない」です。
種類
ハボタンは、キャベツの仲間である結球しない種類のケールを、主に日本で品種改良して作られた植物です。
ハボタンは、鎌倉時代中期、または江戸時代前期に日本に渡来してきた食用ケールがルーツとされています。江戸時代中期に園芸ブームが起こると品種改良が進み、観賞用としてハボタンが作られました。ハボタンは、明治時代以降には海外にも広まり、第二次世界大戦後には、品種開発が盛んに行われて、現在多くの種類があります。
ハボタンは、系統ごとに外観が異なり、いろいろな表情を見せてくれます。
代表的な種類をいくつか紹介します。
丸葉系(東京丸葉系)
江戸時代からある最も古い系統で、葉が丸く、キャベツのような見た目が特徴。耐寒性や耐暑性があり、育てやすい。別名は「江戸葉牡丹」と呼ばれている。
ちりめん系(名古屋ちりめん系)
明治時代に名古屋で作られた系統で、葉の縁が細かく縮れていてフリルのようになっているのが特徴。根の成長が他に比べて弱いため、庭植えよりも鉢植えに向いている。寒さに少し弱い。

丸葉系(大阪丸葉系)
戦後に大阪で「東京丸葉系」と「名古屋ちりめん系」を交配して作られた系統で、葉の縁が緩やかに波打っているのが特徴。
さんご系(切れ葉系)
ロシア産の切れ葉ケールと丸葉系を交配して、さらに丸葉系を掛け合わせて作られた系統。葉に細かく深い切れ込みが入り、珊瑚のような見た目で、長く観賞出来るのが特徴。
その他の品種
バニー
従来のハボタンの系統に属さず、新たに作られた品種。葉の縁が強く縮れてモコモコした草姿で、耐寒性が高いのが特徴。

プラチナケール
従来のハボタンは、葉の表面にブルーム(白い粉)が付着していて、全体的にグレーがかった色味になっていたが、「プラチナケール」は、ブルームが取り除かれた、光沢のある色彩豊かな葉が特徴。

高性種
草丈が約60~70cmほどになる品種。茎が長く、切り花などに利用される。
ハボタンの花
ハボタンは、3月~5月頃に黄色く可愛らしい花を咲かせますが、その頃には草姿が乱れてしまうことや、葉が主な観賞対象であるため、多くは開花前に処分されて一年草として扱われる傾向があります。

食べられる?
ハボタンは、キャベツやケールの仲間であるため、食べることはできますが、観賞用として改良されているため、食用に比べて味は落ちます。また、栽培過程で使われた農薬が残留していることがあるため、観賞用のハボタンを食べることは推奨されていないようです。
踊りハボタン
ハボタンは、冬に色彩豊かな葉を観賞して、翌春の開花前に処分されることが多いですが、別の楽しみ方もあります。
ハボタンの花を楽しんだ後、花茎を切り戻します。しばらくすると脇芽が伸びてきて、その先に新たなハボタンができます。分枝して出来た草姿が踊っているようにみえることから、「踊りハボタン」と呼ばれています。
多年草として、1年目のハボタンとはひと味違う「踊りハボタン」の個性的な草姿を楽しめるのも、ハボタンの魅力の一つです。

ハボタンは、他にも切り花やアレンジメントに利用するなど、楽しみ方が多岐にわたります。

ハボタンには様々な種類があり、形がそれぞれ異なるため、複数の種類のハボタンを庭や鉢などに植えて、種類ごとの雰囲気の違いを楽しむのもいいですね。