春に咲くヒヤシンスの魅力と育て方

Hyacinthus1 花図鑑
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ヒヤシンスは、春になると可愛らしい花を密集させて見応えのある花を咲かせる、秋植えの球根植物です。

ヒヤシンスの特徴や花言葉、種類や育て方のポイントなどを紹介します。

特徴

科名キジカクシ科 (ヒヤシンス科、ユリ科で分類される場合もある)
英語名Hyacinthus
生育サイクル年草
開花期3月~4月
赤、白、黄、青、紫、ピンク
原産地地中海東部沿岸(ギリシャ、トルコなど)
おすすめの環境日当たりと水はけのよい場所
その他の特徴庭植えや鉢植えだけではなく、水栽培も可能
花には甘い芳香がある
生育適温は10〜20℃
全草にシュウ酸カルシウムやアルカロイドの一種であるリコリンなどの有害物質が含まれ
ていて、特に球根に多い
接触すると炎症を起こすことがあるため、作業をする際は手袋をはめたほうがよい
誤飲をすると嘔吐や下痢などの症状が出ることがあるため、子供やペットを近づけない
ように注意が必要
花持ちは、気温が低い時期に開花した場合は約1ヵ月、暖房の効いた室内や暖かくなって
から開花した場合は1週間ほど
種から育てることも出来るが、育つまでに時間がかかるため、球根のほうが育てやすい
球根を分球(1)して新たに育てると、親球根と同じ色の花が咲く
球根を選ぶ際は、なるべく大きくて重く、無傷でツヤのあるものを選ぶとよい
栽培のコツ庭植えは、降雨にまかせて、土が乾燥していたらたっぷりと水やりをする
庭植えの場合、数年間は植えっぱなしでも育つが、多湿を嫌うため梅雨前に球根を掘り
あげたほうがよい
鉢植えは、土が乾燥していたらたっぷりと水やりをする
鉢植えの場合、梅雨前に多湿を避けるために雨の当たらない場所に移動させるとよい
水栽培では、根が伸び始める頃は3日に1度、長く伸びてきたら1週間に1度水を替える

10月~11月頃に球根を植え付けて、しばらく寒い環境に置くことで発芽する

球根を植え付ける目安は、庭植えでは深さ約10cmほど、間隔も約10cmほど開けて、
鉢植えでは深さが球根の頭が出る程度で、間隔は見栄えの良さから5~6cmほどで植え付ける
ことが多い(ただし、見栄えのために間隔を短くすると、花後に球根が肥大するスペースが
無くなるため、球根が大きく育たない傾向がある)

日陰で育てることも出来るが翌年の花数に影響するため発芽から花期の終わり頃まで
日当たりの良い場所で育てたほうがよい

花後には必ず花がら摘みを行い、水やりや肥料を施して、球根に栄養を蓄えさせるために
光合成を行う葉や茎は、枯れるまで残しておく

< 水栽培で注意するポイント >
球根が水に浸りっぱなしだと腐敗しやすいため、根が伸び始めたら根の先が水につかる
程度に徐々に水位を下げていく
茎が光に向かって一方向にのみ曲がるのを防ぐため、定期的に向きを回転させておくとよい

< 球根の掘り上げ >
花後に葉が枯れてきたら、梅雨前球根を掘り上げて葉や茎を切り落とし、土を洗い落として
ネットに入れて、風通しの良い場所に吊り下げて乾燥させておく
Hyacinthus2
ヒヤシンスの球根
Hyacinthus3
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花言葉

全体の花言葉と花の色ごとの花言葉があります。

全体スポーツ、ゲーム、遊び、悲しみを超えた愛
嫉妬
心静かな愛、控えめな愛らしさ
勝負、あなたとなら幸せ
変わらぬ愛
悲哀、悲しみ、初恋のひたむきさ
ピンクしとやかな可愛らしさ

種類

ヒヤシンスは、「ダッチ系」と「ローマン系」の2系統に大きく分けられています。

市場で主に流通している系統は「ダッチ系」で、品種も数多くあります。

ヒヤシンスの主な品種をいくつか紹介します。

ダッチ系

オランダで品種改良された系統。主に栽培されている品種は40〜50種類といわれている。

1本の茎にたくさんの大ぶりの花を咲かせる系統で、花のボリュームがあり、1本植えただけても充分に豪華な印象がある。庭植えや鉢植え、水栽培で栽培が可能。

球根が自然に分球しにくいため、増やしにくい。増やしたい場合は、人工的に分球を促す作業である「スク―ピング(2)」や「ノッチング(3)」を行うとよい。

カーネギー

草丈は15~30cm。花色は白色。白花の代表的な品種。

デルフト・ブルー

草丈は15~30cm。花色は青紫色。青花の代表的な品種。

Hyacinthus Delft blue
デルフト・ブルー

シティ・オブ・ハーレム

草丈は15~30cm。花色は黄色。黄色花の代表的な品種。

ローマン系

フランスで品種改良された系統。

草丈が低く、小さな花をまばらに咲かせる系統。1つの球根から複数の茎を生やす。

可憐な印象があり、丈夫で育てやすい。庭植えにするのが一般的。

球根が自然に分球しやすいため、植えっぱなしでも簡単に株を増やすことができる。ただし、多湿を避けるために、梅雨前には球根を掘り上げて、別の場所で保管したほうがよい。

1本の茎に咲く花は少ないが、自然分球して株が増えやすいことから、全体的にみると花数は少なくはない。

ローマンヒヤシンス

草丈は20~30cm。花色は青色、白色。花期は3~4月。ダッチ系と比べて花の芳香が強いといわれている。耐寒性が低いため、暖地での栽培に向いている。

Hyacinthus roman
ローマンヒヤシンス
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ヒヤシンスは系統ごとに違った特徴があります。

ヒヤシンスにはいろいろな花色があり、ボリュームのある花姿は春の花壇などに華やぎを与えてくれます。

庭植えや鉢植え、水栽培から好きな栽培方法を選んで秋に球根を植えてみたら、花開く春が待ち遠しくなりますね。

  1. 分球とは ・・・ 球根が大きくなるにつれて球根の中に新しい芽が形成されていき、だんだん新しい芽が育って成熟すると、
    親球根から分離して新しい球根(子球)が出来ること。人工的に親球根から子球を切り分けて増やすことも含む ↩︎
  2. スク―ピングとは ・・・ 球根の底部をえぐり取って分球を促す作業のこと ↩︎
  3. ノッチングとは ・・・ 球根の底部に切れ込みを入れて分球を促す作業のこと ↩︎