チーターは、細くしなやかな体を活かして、全力疾走する姿が印象的です。
チーターの特徴や生態、種類について紹介します。
特徴
| 正式名称 | チーター |
| 英語名 | Cheetah |
| 分類 | 食肉目 ネコ科 |
| 生息地 | アフリカ大陸(サハラ砂漠以南の熱帯雨林地方を除く)、イラン |
| 体長 | 110~150cm |
| 体重 | 30~65kg |
| 性格 | 慎重、平和主義、温厚、大人しい |
| その他の特徴 | 基本的に昼行性 時速100kmを超えるスピードで疾走することができる 最高速度を維持できるのは、200~300mほどと短い 基本的に単独行動を好む(雄は兄弟などで数頭の群れを作ることもある) 目頭から口元にかけて黒色の筋が入る 咆哮をあげることはない 時々木に登る 狩りの成功率は40~50%ほど 天敵はライオン、ヒョウ、ハイエナ、ワシなど 寿命は野生下では5〜7年、飼育下では10〜12年ほど |
| チャームポイント | 顔にある黒い筋状の模様 |

生態
チーターは、アフリカの東部や南部、イランの南部に生息しています。
基本的に単独行動ですが、雄は兄弟で群れを作ることもあり、雌は子育て期間以外は単独で生活します。
速く走ることに特化した体を持つものの、持久力があまりないため、ライオンやハイエナといった他の肉食動物と比べると力が弱く、競合すると弱い立場になり、獲物を奪われたり、捕食されることもあります。
天敵と競合しないよう、夜行性である天敵を避けて日中に狩りを行い、素早く獲物を捕獲して天敵に横取りされないよう、すぐに食べるといった、生存していく上で必要な戦略をとっています。
野生下で生息するチーターは7,000頭前後で、生息地の減少や密猟、違法なペット取引きなどにより数が減少していて、現在「レッドリスト(国際自然保護連合(IUCN)が作成している絶滅危惧種のリスト)」に登録されており、絶滅の危機に瀕しています。
チーターの様々な生態について紹介します。

身体的特徴
黄色または淡褐色の被毛に、黒色の丸い斑点がある。この斑点は草むらの中で保護色になる。
しっぽの先端は、白色から黒色まで個体によって様々ある。
顎が小さく小顔で、足は細くて長く、胴体は引き締まっていて、全体的に流線形の体型をもつ。
顔にある黒い筋状の模様は、「ティアーズマーク」と呼ばれていて、日中狩りをする際にまぶしさを軽減して、獲物に焦点を合わせ易くするためにあると考えられている。
雄は1~2歳、雌は2~3歳で成体になる。
なぜ時速100km以上で走れる?
チーターの最高速度は時速120kmほどで、陸上動物のなかで最速といわれている。
チーターは、「ギャロップ走行1」と呼ばれる走り方をしていて、疾走時の歩幅は約7mといわれている。走行中は、体がほとんど空中に浮いているような状態になる。
なぜチーターが早く走れるのか、その理由は、以下のようなチーター独自の体の構造にある。

1.柔軟な背骨
チーターは、ネコ科特有の柔軟性が高いことに加えて、背骨をしなやかに動かせるため、全身をバネのように曲げ伸ばしをして走ることが出来る。
走り始めてから3秒ほどで最高速度に達することが可能で、体を大きく縮めて、瞬時に伸ばすことで、一歩が大幅に長くなり、少ない歩数でより早いスピードを出すことが出来る。
2.小さな頭
頭が小さく、流線形の体型をしているため、空気抵抗を最小限に抑えられる。
3.長いしっぽ
長くて太いしっぽが、疾走時に体のバランスを制御して、方向転換をする際に舵のような役割を果たしている。
チーターのように高速で走る動物が疾走時に曲がる場合、とても強い遠心力がかかり、バランスが崩れやすくなるが、体の安定性を保つために、右に曲がる場合はしっぽを左回転させて、左に曲がる場合は右回転させる。
4.爪
足先にある爪は、他のネコ科の動物とは異なり、完全に隠すことはできない。
出たままの爪が、走る際に地面をしっかりと掴んで蹴り出して、スパイクのような機能を果たす。
5.大きな心臓、肺、鼻腔
大きな心臓や肺、鼻腔をもち、短時間に大量の酸素を取り込めるため、より早く驚異的なスピードを出すのに役立っている。
6.強靭な筋肉
胸部や後ろ足に強靭な筋肉があり、走る際に力強く足を動かすことが出来る。
食性
チーターは、狩りは日中(特に朝や夕方)に行うことが多く、インパラやガゼル、カモシカや野ウサギといった小型、または中型の草食動物を捕食する。
狩りをする際は、高速で走る時間が限られているため、茂みや低木に隠れるようにして獲物にじりじりと50〜100mほど近づいてから、一気に加速して獲物に追いつき、喉に噛みついて捕らえる。
死骸を漁ることはない。
顎の力が弱く、天敵のライオンやハイエナなどに出くわすと、幼い個体や時には成体も襲われることがあるため、戦わずに逃げる。食事中だった場合も、捕らえた獲物をあきらめて撤退する。
子育て
繁殖時期は特定の時期はなく、妊娠期間は約3ヵ月ほど。
通常、1度に2~4頭を出産する。生まれたての赤ちゃんチーターは150~300g、体長は30cmほどで、生後2週間ほど経つと目が開くようになる。
赤ちゃんチーターの背中には、白色のたてがみのような毛が生えている。
子育ては、母チーターが単独で行う。
母チーターは、捕食者に発見されるリスクを減らすため、定期的に巣を別の場所に移動させる。
子チーターは、長くて半年ほどで離乳して、生後1年になる頃まで母チーターから狩りの方法を教わる。
子チーターは、生後1年半から2年ほど経つと独立する。
子チーターが1歳になるまでの生存率はかなり低く、地域によっては9割の個体が天敵であるライオンやハイエナ、ヒョウなどに捕食されてしまう。
種類
チーターは1種類のみで、地域ごとに4種類の亜種に分類されています。
また、突然変異で生まれる「キングチーター」と呼ばれるチーターもいます。
それぞれの亜種について紹介します。
アフリカチーター
生息地は、ケニア、タンザニア、ボツワナ、南アフリカなど。
代表的な亜種で、典型的なチーターの姿をしている。
サハラチーター
生息地はサハラ砂漠周辺。
砂漠の環境に合わせて、被毛は白色に近く、顔に斑点がほとんどなく、ティアーズマークは薄いことが多い。
日中の砂漠の暑さを避けるため、夜行性が強く、夜や早朝に活動する傾向がある。
スーダンチーター
生息地は中央アフリカ、北東アフリカ。
被毛は黄色または金色で、アフリカチーターより濃く、黒色の斑点が大きい傾向がある。
アジアチーター
生息地はイランの保護区のみ。4亜種の中で最も希少。
個体数は非常に少なく、絶滅危惧種。
被毛はアフリカチーターより淡い傾向がある。
体が細く、足が長いのが特徴。
キングチーター
普通のチーターと種類は同じものの、突然変異により被毛の模様が異なるチーターは「キングチーター」と呼ばれている。
背中に太い黒帯のような模様が入るのが特徴。
模様以外は、普通のチーターと変わらない。


チーターは、地上最速で走る力が特徴的で、大自然を疾走する姿は、大変しなやかで力強く、美しさを感じさせます。
日本国内でチーターを飼育している動物園もあるので、実際に観察しに行ってみるのはいかがでしょうか。
- ギャロップ走行とは … 馬やチーターなど、四足歩行の動物が高速移動する際に、四本の足がいずれも着地していない状態がある走り方。四足走行の種類の一つで、最も速い走り方といわれている ↩︎