カーネーションは、5月の母の日に贈る花として有名ですが、年間を通じて店頭に並んでいて、花束やフラワーアレンジメントによく使われる花です。カーネーションの種類や魅力について紹介します。
特徴
科名 | ナデシコ科 |
英語名 | Carnation |
生育サイクル | 多年草 |
開花期 | 四季咲き性(主に4月~6月) |
色 | 赤、白、黄、ピンク、オレンジ、緑、紫、青、複色 |
原産地 | 南ヨーロッパ、西アジア |
おすすめの環境 | 日当たりがよく、風通しや水はけの良い土を好む |
その他の特徴 | 別名は、「阿蘭陀撫子(オランダナデシコ)」、「麝香撫子(ジャコウナデシコ)」、「阿蘭陀石竹 (オランダセキチク)」などと呼ばれている |
栽培のコツ | 庭植えでは、乾燥には比較的強いが、水切れしないように注意して水やりをする 鉢植えでは、土が乾いてきたらたっぷりと水を与える 水やりの際は、花や葉に水がかからないよう、根元に直接水を与えるようにする 水のやりすぎは根腐れの原因になるため注意する |
花言葉
全体の花言葉と花の色ごとの花言葉があります。
全体 | 無垢で深い愛 |
赤 | 母への愛 |
白 | 純粋な愛、私の愛は生きています |
黄 | 美、友情、軽蔑 |
ピンク | 感謝、女性の愛、美しい仕草 |
オレンジ | 純粋な愛、清らかな慕情 |
緑 | 癒し |
紫 | 誇り、気品 |
青 | 永遠の幸福 |
「母の日」の由来は?
日本で「母の日」は、5月の第2日曜日となっていますが、これはアメリカにならって決められました。
アメリカの「母の日」の由来は、南北戦争時代に遡ります。当時、「Mother’s Work Days(母の仕事の日)」というボランティア団体を結成して、敵味方関係なく献身的に負傷兵の看護にあたっていた、アン・ジャービスという女性がいました。彼女は南北戦争終結後も、医療補助活動や平和活動、教育活動など様々な貢献を続けて、1905年5月9日にその生涯を閉じました。
1907年5月12日に、娘のアンナ・ジャービスが、偉大な社会活動家であった亡き母を偲んで、母が生前、教育活動を行っていた教会で集会を開催し、かつて母が好きだった白いカーネーションを参列者に配りました。亡き母の遺志や功績に敬意を表した彼女の行動に感動した人々が、翌年の1908年5月10日に同じ教会で、母に感謝をする「母の日」として集い、お祝いしました。母の日にカーネーションを贈る習慣は、アンナのこうした行動が起源で、白いカーネーションが母の日のシンボルとなりました。アンナの開いた集いが、アメリカ全土から注目されるようになり、1914年にアメリカ議会で5月の第2日曜日は「母の日」と制定されました。

母の日に贈るカーネーションは、以前は白色は他界された母へ、赤色はご健在の母へ、という贈り方がありましたが、最近は色にこだわらず、お母さんが好む色や、赤色をはじめとした様々な色のカーネーションが贈られる傾向があります。気持ち良く受け取って貰えるよう、以前の贈り方やそれぞれの色の花言葉など、多少は意識しておいたほうがいいかもしれません。
種類
カーネーションは世界に約3000種類以上あり、日本では1000種類以上流通しています。
カーネーションの種類は、花の付き方や咲き方で分類されています。
< 花の付き方 >
スタンダードタイプ | 1本の茎に1つの花を咲かせる (花が大きくなる傾向がある) |
スプレータイプ | 1本の茎に複数の花を咲かせる (花は小さめで数は多いが、全ての蕾が咲くとは限らない) |
< 花の咲き方 >
剣弁咲き | 花弁の縁がギザギザしていて、たくさんの花弁が重なっている 最もスタンダードな咲き方 |
極剣弁咲き | 先端に切れ込みのある細く、剣のように尖った花弁が特徴 別名で「スター咲き」とも呼ばれる |
丸弁咲き | 花弁にほとんど切れ込みがないのが特徴 比較的新しい品種に多い |
一重咲き | 花弁が重なっていない |
その他に、鉢植えに適したサイズになるよう、通常の品種よりも小さく改良された園芸品種を総称した「ポットカーネーション」と呼ばれる、葉が密に茂り、たくさんの花を咲かせる種類もあります。
カーネーションの主な品種をいくつか紹介します。
サッキーネ
草丈は30~40cm。ポットカーネーションの1つで、鉢植えや庭植えに向いている。花色は赤色やピンク色、黄色、赤色やピンク色の花弁に白い縁取りがあるものなどがある。花期は4~6月。寒さに強く、育て易い。
ムーンダスト
日本のサントリーフラワーズとオーストラリアのフロリジンの共同開発により、世界初の青色のカーネーションが作られた。ムーンダストの特徴は、珍しい青色の花色だけではなく、通常のカーネーションに比べて花持ちが良く、長くて3~4週間ほど咲き続ける。スタンダードタイプとスプレータイプの両方の種類がある。
花の世界では、一般的な水色から紫色までを青色と認識するため、ムーンダストは青系の花として扱われている。

スターチェリー
スプレータイプで、花径が4cm程度の一重咲きの品種。花色は淡いピンク色。花弁の先端に深い切れ込みが入っているのが特徴。
ミヤビ
花色は、ベージュのような少しくすんだ色に赤色の絞りが入った個性的な品種。名前の通り、和風のイメージがある。
ロイヤルグリーン
スプレータイプで、花色は淡い緑色。ウェディングやビジネスなどのシーンに人気の品種。他の花と組み合わせ易く、フラワーアレンジメントや花束によく使われている。
カーネーションは他にも多くの種類があり、好みや用途に合わせて様々な楽しみ方があります。

母の日に贈るカーネーションは、種類が豊富で、花束や鉢植えやアレンジメントなど、贈る方法も多岐にわたります。少し照れ臭いかもしれませんが、純粋に母を想う気持ちを花にこめてプレゼント出来たら素敵ですね。