レンゲは春になると、公園や田畑などに、一面にピンク色の可愛らしい花を咲かせて、風景に彩りを与えます。
レンゲの特徴や花言葉、育て方のポイントなどについて紹介します。
特徴
科名/属名 | マメ科 ゲンゲ属 |
英語名 | Chinese milk vetch |
生育サイクル | 二年草 (秋に種まきをして冬を越して翌年春に開花する) |
開花期 | 4月~5月 |
色 | 赤、白、赤紫 |
原産地 | 中国 |
おすすめの環境 | 日当たりと水はけや風通しの良い場所 |
その他の特徴 | 花がハスに似ているため、レンゲ(蓮華)と呼ばれるようになった 丈夫で育てやすい 草丈は約10~25cmで、花の開花期間は4〜5日ほど 寒さに強く、暑さに弱い傾向がある ほんのりと甘い芳香がある 花蜜から作られる「レンゲ蜂蜜」は人気が高く、良質な蜜源植物として養蜂家に利用されて いる 別名は、「レンゲソウ(蓮華草)」、「ゲンゲ(紫雲英)」などと呼ばれている |
栽培のコツ | 乾燥に弱いため、庭植え、鉢植えともに土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水やりをする 寒冷期は、土が凍結して根が傷むのを防ぐため、水やりは午前中にしたほうがよい 発芽するまでは、土の表面が乾かないように、毎日水やりをする |
花言葉
花言葉は、「私の幸せ」、「感化」、「心が和らぐ」、「あなたと一緒なら苦痛が和らぐ」です。
育て方のポイント
種まき
レンゲの種まきは9〜11月が適期。水はけの良い土を選び、プランターや花壇などに直播きする。
種をまいたら軽く土をかぶせておく。
根には根粒菌(こんりゅうきん)1があり、根が傷つくと枯れてしまうことがあるため、一般的に種から育てられる。同じ理由で植え替えなども行わないほうがよい。
痩せた土地でも育つため、肥料は特に必要ない。
豆科の植物は、連作障害2が起こる可能性があるため、翌年もレンゲを育てる場合は、新しい土に入れ替えるか、場所を変えて栽培したほうがよい。
間引き
発芽してきたら様子を見ながら、日当たりや風通しを良くするために、株間を10~15cmほどに間引いたほうがよい。
害虫に注意
レンゲはアブラムシの被害を受け易く、葉茎から養分を吸い取られて、枯れてしまう恐れがある。
見つけたら薬剤を使って駆除する。
種の収穫
花後には、長さが約3cmほどの果実(豆果)が出来る。
収穫のタイミングは豆果が熟して黒くなる頃で、中にある種子を採取して涼しい場所に保管しておく。
採取した種を秋にまくと、翌年もレンゲの花を楽しむことが出来る。
レンゲの利用方法
緑肥(りょくひ)や飼料になる
レンゲを田畑で栽培すると、雑草が生えるのを防ぎ、土を肥やす効果がある。
レンゲの根に住む根粒菌が、空気中の窒素を植物が使える状態に変化させる。
根粒菌は肥料として利用できるようになった窒素をレンゲに供給して、レンゲは根粒菌に養分を与えることで、互いに共生関係を築いている。
植物の生長に重要な役割をもつ窒素を多く含むレンゲは、全草が肥料になる。
田畑に植えられたレンゲは、開花期前に刈り取られて、機械で土に漉(す)き込まれる。
漉き込まれたレンゲは、しばらくすると腐葉土のように分解されて、肥料の役割を果たす。
このように、栽培した植物を新鮮なまま田畑に入れて耕し、肥料にすることを「緑肥(りょくひ)」という。
レンゲが土の中で分解される際に、有害物質が発生して作物の生育に有害な作用を及ぼすことがあるため、作物を植え付ける3週間ほど前までに漉き込んでおく必要がある。
昔は緑肥として植えられることが多く、田畑一面にピンク色の花が咲くレンゲ畑は、春の風物詩だったが、化学肥料の普及などにより激減していった。

近年では、有機栽培が再び注目されるようになり、レンゲ畑を復活させようとする動きが、様々な地域で出てきている。
また、レンゲは飼料としても利用されている。
マメ科のレンゲから作られた飼料は、イネ科の植物から作られた飼料と比べるとタンパク質が多く、家畜に与える飼料の栄養価の向上が期待されている。
レンゲから作られる飼料は、刈り取ったままの状態や乾燥させたもの、またはサイレージ3など、様々な種類がある。
食用になる
レンゲは、花や蕾、若芽や若葉が食べられる。
味は、ほとんどクセが無く、豆のようなコクや風味がある。
花や蕾は、サラダや天ぷら、酢の物などにして、若芽や若葉は、おひたしや天ぷら、バター炒めなどにする。

レンゲは緑肥や飼料、蜜源植物など、古くから様々な用途で利用されてきました。また、レンゲ畑が作り出す壮大な美しい景観も人々を魅了してきました。
レンゲの魅力を身近で感じてみたくなったら、鉢や花壇に植えて、育ててみてはいかがでしょうか。