日本の国花「桜」について

Cherry blossom 花図鑑
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日本の代表的な花は?と聞かれたら、桜を思い浮べる人が多いのではないでしょうか。日本人に古くから親しまれている桜は、正式に法律で定められているわけではありませんが、国花として認識されています。

美しい花が満開になり、しばらくすると風とともに散りゆく様は季節の移ろいを表すとともに、人々がその様子に様々な想いを重ねて観賞する、といった見た目も心情的にも魅力が満載な桜についてまとめました。

特徴

科名バラ科
英語名Cherry blossom
開花期主に3月~4月
品種により上記以外の月に開花するものもある
白、ピンク
原産地東アジア
おすすめの環境日当たりと通気性がよく、適度に湿った排⽔の良い土壌を好む
強風吹く場所は避けたほうがよい
その他の特徴北半球の温帯に広く分布していて品種は多数ある
日本に古くから自生する品種は10種あり、そこから変種したものを含めると100以上が
自生していて、これらから作られた園芸品種は200以上ある
栽培のコツ庭植えは基本的に水やりは不要だが、夏場に土が乾燥する日が続く場合は行う
鉢植えは夏場はほぼ毎日行う

日本に自生する品種

エドヒガン
(江⼾彼岸)
本州・四国・九州の山地で見られる、ソメイヨシノ(染井吉野)の親
サクラの中では長寿の種
樹高は15m~25mほど花弁は5枚で花色は白色から薄紅色
枝が下垂したものがシダレザクラ(枝垂桜)
3月下旬~4月初旬に他の品種よりも1週間~10日ほど早く咲く
オオシマザクラ
(大島桜)
伊豆諸島と伊豆半島南部で見られる
ソメイヨシノ(染井吉野)、カワヅザクラ(河津桜)の親
樹高は15mほど、花弁は大きく5枚あり、花色は白色
桜餅を包む塩漬けの葉として使われている
3月下旬~4月上旬に咲く
オオヤマザクラ
(大山桜)
本州中部以北で見られる
樹高は15mほど、花弁は大きく5枚あり、花色は白色
ヤマザクラ(山桜)より花や葉が大きいことから名付けられた
別名「ベニヤマザクラ(紅山桜)」、「エゾヤマザクラ(蝦夷山桜)」と呼ばれている
4月中旬〜5月上旬に咲く
カスミザクラ
(霞桜)
北海道・本州・四国で見られる
樹高は20mほど、花弁は5枚あり、花色は白色
ヤマザクラ(山桜)より白みがかった花色で、満開になると山肌が霞がかったように見える
ことか名づけられた
4月下旬〜5月中旬に咲く
カンヒザクラ
(寒緋桜)
中国南部・台湾で見られ古くから琉球列島や⿅児島県に⼊り野生化したといわれている
カワヅザクラ(河津桜)の親
樹高は5mほど、花弁は5枚あり、花色は白や濃いピンク色
別名「ヒカンザクラ(緋寒桜)」、「ガンジツザクラ(元日桜)」、「サツマヒザクラ(薩摩
緋桜)」と呼ばれている
1月〜3月の上旬に咲く
タカネザクラ
(⾼嶺桜)
北海道、本州中部以北の亜高山帯で見られる
樹高は1.5mほど花弁は5枚あり、花色は白色から薄紅色
別名「ミネザクラ(峰桜)」と呼ばれている
5月上旬~6月頃に咲く
チョウジザクラ
(丁字桜)
東北地方の太平洋側の低山地、関東地方、中部地方で見られる
樹高は4m~7mほど、花弁は5枚あり、花色は白色から微淡紅色で下向きに咲く
花を横から見ると丁字や丁子(クローブ)のように見えることから名づけられた
3月下旬~4月下旬に咲く
マメザクラ
(豆桜)
富士・伊豆・房総を中心とした地域で見られる
樹高は1m以下でも花をつける、花弁は5枚あり、花径は1~2cm、花色は白色から
淡紅色で下向きに咲く
別名「フジザクラ(富士桜)」、「ハコネザクラ(箱根桜)」とも呼ばれている
3月下旬〜5月上旬に咲く
ミヤマザクラ
(深山桜)
北海道、本州、四国、九州の山地の上部から亜高山帯下部で見られる
樹高は5m~20mほど、花弁は5枚あり、花色は白色
5月~6月上旬に咲く
ヤマザクラ
(山桜)
東北以西の本州、四国、九州で見られる、サクラの中では長寿の種
樹高は10m~30mほど、花弁は5枚あり、花色は白や淡いピンク

反りが少なく、強度もあるので上質な木材として多く利用されている
3月~4月頃に咲く
エドヒガン
オオシマザクラ
カンヒザクラ
ヤマザクラ

代表的な桜の種類

様々な桜の種類があるなかで代表的な桜について紹介します。

ソメイヨシノ(染井吉野)

日本全国に分布しており桜のイメージを代表する品種で、エドヒガンとオオシマザクラが交配して生まれた。樹高は10m~15mほど、花弁は5枚あり、花色は咲き始めはピンク色でだんだん白色に変化する。3月下旬〜4月中旬に咲く。

シダレザクラ(枝垂桜)

シダレザクラとは枝が垂れ下がるサクラ全般を意味する。樹高は5m~15m、花弁は5枚が基本だが、八重咲きも多い。花色はピンク色、白色、赤色。3月中旬~4月頃に咲く。

カワヅザクラ(河津桜)

原木は静岡県河津町の飯田邸にあり、ここに移植されたのをきっかけに広まり、河津町の桜という意味合いからカワヅザクラと名づけられた。オオシマザクラとカンヒザクラが交配して生まれた。樹高は10mほど、花弁は5枚、花色は淡紅色。2月~3月上旬に咲く。

ヤエザクラ(八重桜)

ヤエザクラはサクラの中でも八重咲きになるものの総称で、樹高は3m~10mほど、花弁は10枚以上、花色は白色、ピンク色。3月下旬~5月上旬に咲く。

桜が咲く頃に、花見客の話題や桜の観光地がメディアで取り上げられると、つられてワクワクしてきます。桜は春のイメージが強いですが、種類によってはそれ以外の季節にも、風景に華やぎを与えます。日本の代表的な花、桜を見に実際に足を運んでみてはいかがでしょうか。