フクロウは、夜の森で大きな目を見開いて周囲を伺う様子が印象的な鳥ですが、実際にどのように活動しているのか、特徴や生態、種類について紹介します。
特徴
| 正式名称 | フクロウ |
| 英語名 | owl |
| 分類 | フクロウ目 フクロウ科 |
| 生息地 | ユーラシア大陸北部、日本(北海道~九州北部) |
| 体長 | 20~75cm |
| 体重 | 500g~1kg |
| 性格 | 比較的温厚、神経質 |
| その他の特徴 | 夜行性の猛禽類(もうきんるい)1 ペットとして飼う場合、性格は種類によって異なるため、気になる個体の種類の性格を 把握した上で飼育したほうが、繊細なフクロウにとってストレスの軽減になる 寿命は、小型の種類が約10年、中型は約20年、大型になると30年ほどといわれている 天敵は、ワシやタカなどの猛禽類 |
| チャームポイント | つぶらな瞳、フワフワの羽毛 |

生態
フクロウの多くは、天敵を避けるために夜間に活動して、単独またはつがいで行動するといわれています。
森林や草原、種類によっては都心部など、幅広い地域に生息しています。
身体的特徴
フクロウの体は、独自の進化を遂げて、他の鳥類とは異なる特徴を持っている。
大きな目
フクロウの目は、他の鳥類が頭部の側面にあるのに対して、人間と同様に前面に配置されているため、物を立体的に把握することが可能で、獲物までの距離を正確に測ることができる。
フクロウは、大きくて前後に長い筒状の眼球をもっている。
筒状の眼球は、望遠鏡のような構造をしていて、光を効率的に取り込み、暗闇の中でも対象の輪郭や動きを把握しやすい、といった特徴がある。
フクロウの眼球は、頭蓋骨に固定されていて、キョロキョロと自由に動かすことは出来ない。
フクロウは、瞳孔を自分の意志で動かせるため、狩りの際に獲物に対して、カメラのオートフォーカス機能のように焦点を調整することが出来る。
フクロウの網膜のほとんどは、「桿体細胞(かんたいさいぼう)」と呼ばれる、暗所での視覚に特化した細胞で占められているため、月明かりほどの光があれば、獲物の動きを的確に察知して捕らえることができる。
その一方で、明るい場所で機能して色彩を識別する「錐体細胞(すいたいさいぼう)」は非常に少ないことから、色はほとんど区別できないといわれている。
よく回る首
フクロウは、首を最大で左右に270度(左右それぞれ135度ずつ)、また上下にも大きく回すことができる。
フクロウの頸椎は14個(人間は7個)あり、多いぶん可動域が広くなる。
大きな眼球は動かせないが、代わりに首を大きく動かして視野を補っている。
鋭い聴覚
フクロウの耳は、目の横に左右非対称に配置されているが、羽毛に完全に隠れていて、外からは見えない。
左右の耳に入る音の差から、音源の位置や距離などを立体的に聞き分けて、正確に把握することが出来る。
また、フクロウの丸い顔は、ただ可愛らしいだけではなく、羽毛が放射状に並んだ「顔盤(がんばん)」と呼ばれる構造をしていて、パラボラアンテナのような集音機能をもっている。
顔盤は円形、またはハート形をしていて、集めた音を耳まで導く機能をもつ。
消音効果のある特殊な羽
フクロウは、音を立てずに飛ぶことが出来る。
無音飛行は、フワフワした柔らかい羽と、風切羽(翼)の縁がギザギザしていることにより可能になる。
フワフワの羽毛は、羽ばたいた際に摩擦音を軽減して、翼のギザギザが、空気の流れを細かく分散して音の原因となる乱流を作らないようにするため、無音飛行ができる。
フクロウは、無音飛行をすることによって、暗闇の中で鋭い聴覚を駆使して、様々な音を捕らえながら狩りを行うことができる。
食性
フクロウは、小型哺乳類や鳥類、爬虫類、両生類、昆虫などを食べる。
エサは、主にネズミやウサギなどの齧歯類が多いが、生息地によりコウモリやトカゲ、ヘビなど食性は多岐にわたる。
フクロウはエサを丸呑みして、消化できない骨や毛などは、「ペレット」と呼ばれる塊として吐き出す。
子育て
フクロウの繁殖期は3~5月頃で、雌は通常2~7個ほど産卵して、約1ヵ月間抱卵する。
フクロウの多くは一夫一妻制で、基本的には雌がヒナを育てて、雄は狩りを行い、巣にエサを運ぶ。
エサは、最初に生まれたヒナから優先的に与えられるため、エサが少ない時期には生存競争が過酷になる。
天敵から身を守るため、主に木の洞や岩の隙間など、身を隠しやすい場所に営巣される。
ヒナは親鳥からエサを与えられて育ち、生後2週間程経つと羽毛が生え揃い、生後4~6週間後には巣立つ。
巣立ちを迎えた後も、数週間ほど親鳥からエサを貰いながら狩りの方法を学び、やがて完全に独立していく。
種類
フクロウは、世界に200種類以上存在するといわれています。
一般的に「羽角(うかく)2」がない種類をフクロウ、あるものをミミズクと呼んでいます。
フクロウの主な種類について紹介します。
モリフクロウ
ヨーロッパからユーラシア大陸東南部まで、広範囲に生息している。
体長は40cm前後。中型の種類。
ペットとして定番の種類。
羽毛は全体的に茶色っぽい。
黒色のつぶらな瞳が特徴。
性格は大人しく、人に懐きやすい傾向がある。
寿命は15~20年。

シロフクロウ
北極圏のツンドラ地帯に生息している。
体長は50~60cm。大型の種類。
ペットとして人気が高い。
日中も活動する。
ハリーポッターシリーズで、主人公ハリーの相棒として登場したことでも知られている。
真っ白な羽毛が特徴。雌にのみ黒色または茶褐色の斑点が入る。
性格は活発で、気性はやや荒め。
寿命は25~30年。

メンフクロウ
世界中に広く生息している。
体長は約40cm。中型の種類。
ペットとして人気が高い。
名前の通り、お面をつけているような平たい顔立ちが特徴。
顔や胸部は白色の羽毛で、頭部や羽の部分は茶色の模様が入る。
性格は賢く、温厚で繊細。
寿命は15~20年。

アフリカオオコノハズク
アフリカに生息している。
体長は20~25cm。小型の種類。
ペットとして人気が高い。
体全体と頭部は灰色で、顔の部分は白色で黒い縁取りがある。
羽角(うかく)がついている。
身に危険が迫ると、体を細くして枝に擬態する。
性格は活発で、好奇心旺盛。
寿命は10~15年。

コキンメフクロウ
ヨーロッパ、北アフリカ、アジアに生息している。
体長は約20cm。小型の種類。
黒目の周囲が金色をしていることから「キンメフクロウ」と呼ばれる種類があるが、その中でも小型の種類のものをいう。
背中部分は灰褐色で、白色の斑点があり、腹部は白地に褐色の縦斑が入る。
日中も活動する。
性格は神経質で、警戒心が強い。
寿命は野生下では3~4年、飼育下では10~15年。

ベンガルワシミミズク
インド、パキスタン、ネパール、ミャンマー西部などに生息している。
体長は50~60cm。大型種に分類されるが、その中でも比較的身体が小さめの種類。
ペットとして人気が高い。
目が赤色やオレンジ色であるのが特徴。
羽毛は全体的に茶褐色で、黒い斑点が入る。
長くて目立つ羽角をもつ。
性格は大人しく、好奇心旺盛。
別名は「ミナミワシミミズク」と呼ばれている。
寿命は15~20年。

シベリアワシミミズク
シベリアに生息している。ワシミミズクの亜種。
体長は58~75cm。超大型の種類。
羽毛は全体的に白色で、黒色の模様が入る。
長くて目立つ羽角をもつ。
性格は神経質で、好奇心が強い。
寿命は20~30年。


フクロウは、見た目の愛らしさだけではなく、暗闇でも活動できるように独自の進化を遂げてきました。
野生下のフクロウを探すのは難しいかもしれませんが、動物園などで実際にフクロウを観察して、その生態を身近に感じてみるのはいかがでしょうか。