菜の花といえば、その黄色い花が咲く春先になると、早咲きの桜とともに映る風景が話題になりますね。広大な菜の花畑が全国各地にあり、観光の際に訪れる方も多いのではないでしょうか。
菜の花は食用としても利用されるため、観賞したり、食したりと様々な楽しみ方ができます。そんな菜の花について紹介します。

特徴
科名 | アブラナ科 |
英語名 | Canola flower |
生育サイクル | 一年草、または二年草(種をまいた翌年に開花、結実する) |
開花期 | 1月~6月 |
色 | 黄 |
原産地 | 地中海沿岸 |
おすすめの環境 | 日当たりと風通しや水はけの良い場所を好む |
その他の特徴 | 「菜の花」は特定の植物の名前ではなく、アブラナ科アブラナ属の花の総称で、ナタネ、 カブ、白菜、キャベツ、ブロッコリー、小松菜、からし菜、ザーサイ、ルッコラなど多数 ある 別名は「菜花(ナバナ)」、「花菜(ハナナ)」、「油菜(アブラナ)」、「西洋油菜(セイヨウ アブラナ)」などと呼ばれている 菜の花は、4枚の黄色い花を十字型に咲かせるため、十字花植物と呼ばれていたことがある |
栽培のコツ | 庭植えでは、基本的に水やりは必要ないが、雨が降らない日が続いて土が乾燥している時は 水やりをする 鉢植えでは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをする |
花言葉
菜の花の花言葉は、「快活」、「明るい」、「小さな幸せ」です。
種類
菜の花には、観賞用、油料用、食用の種類があり、観賞用は「花菜(ハナナ)」、油料用は「菜種(ナタネ)」、食用は「菜花(ナバナ)」と区別して呼ばれています。花菜(ハナナ)については、食用のものを指すこともあります。
ナタネは油料用のアブラナの総称ですが、アブラナの種子の意味もあります。アブラナの種子(直径約2mm)を搾ってとれた油を菜種油といい、絞った後の油かすは有機肥料になります。

流通しているナバナの多くは品種改良されたもので、和種(在来種)と西洋種の2種類があります。味はいずれも甘みや独特のほろ苦さがあります。
ナバナは蕾の状態で食すため、旬の時期は開花前の2月から3月頃になります。品種によっては12月頃から出回るものもあります。

観賞用の菜の花も食べられますが、味が落ちるためおすすめしません。
菜の花の代表的な種類や品種をいくつか紹介します。
アブラナ(和種ナバナ)
花茎と蕾や葉を食べる。葉は黄緑色で柔らかくてシワがある。
弥生時代以降に中国から渡来したといわれている。古くから野菜として利用されていたが、江戸時代になると油料作物として栽培されるようになり、主に灯油の原料になっていた。
伏見寒咲き花菜(ふしみかんざきはなな)
もともと京都市伏見区桃山の周辺で切り花用として栽培されていたが、いつしか京漬物の「菜の花漬け」など、食用として利用されるようになった。収穫時期は、10月下旬~4月中旬。漬物にする際は、蕾がふくらんだ頃に摘み取り、塩漬けにする。花がよくまとまり、色あざやかなため、観賞用として切り花にも向いている。
セイヨウアブラナ(西洋種ナバナ)
花茎と葉を食べる。葉が濃い緑色で厚みがあり、シャキシャキとした歯ごたえがある。草丈は30~150cmほどで、和種に比べて花が大きい。
明治中期にヨーロッパから導入された。
現在、日本で油料用として栽培されているのは、ほとんどが油量の多いセイヨウアブラナである。
また、観賞用の切り花として多く栽培されているのも、セイヨウアブラナの園芸品種である。
早陽一号(そうよういちごう)
生育が早く、暑さや寒さ、風害や病気に強くて育てやすい品種。枝分かれがよいため、長期間にわたり収穫することができる。
のらぼう菜
東京都西部から埼玉県の飯能市周辺で古くから栽培されてきた品種。寒さや害虫に強く、無農薬で栽培可能なため育てやすい。収穫時期は、3月下旬~4月下旬。収穫後はしおれやすく、日持ちしにくいため、生産地周辺で消費されることが多い。苦味が少なく、食べやすい。
美味しいナバナの見分け方
ナバナは花に苦味があるため、開花前の蕾の状態で収穫されます。そのため、蕾は小さく締まっているものが良く、葉と茎が柔らかくて張りがあり、切り口がみずみずしいものがおすすめです。
ナバナを使った調理例
ナバナは春野菜の中でも特に栄養価の高い緑黄色野菜で、お浸しや和え物、漬け物、汁の実、炒め物、揚げ物、パスタなど様々な調理方法で美味しく頂くことができます。
ナバナに含まれる主な栄養素は、ビタミンCや鉄分、カリウム、葉酸、食物繊維などがあります。免疫力を上げたり、貧血予防や美肌、ダイエットなどに効果があるといわれています。



どれも美味しそうですね。
春を告げるナバナの料理、他にも魅力的なメニューがいろいろとありますが、今回はこのくらいにしておきましょう。

菜の花は観賞するもよし、食べるもよし、という様々な魅力を持つ花です。菜の花畑に出かけて、近くのレストランで菜の花にちなんだ食事を楽しむ、といった菜の花を堪能する旅も素敵ですね。