レッサーパンダのかわいさに心癒される

Red panda その他動物(大型・中型)
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レッサーパンダといえば、二本足で直立した姿や、樹上を器用に移動する様子や人懐こい表情が、何ともいえず可愛らしいですね。レッサーパンダの魅力や特徴、生態について紹介します。

特徴

正式名称レッサーパンダ
英語名Red Panda
分類ネコ目 レッサーパンダ
生息地インド、中国、ネパール、ブータン、ミャンマー
体長50cm~60cm
体重5kg~10kg
性格警戒心が強い、意外と気性が荒い
その他の特徴夜行性または薄明薄暮性のため、早朝と夕方に活動して、日中は樹上で眠っていることが
多い
雑食性で、竹や笹、果実、たけのこ、どんぐり、小動物、鳥類の卵などを食べるが、飼育
下では竹の他に、りんごやバナナ、みかん、にんじん、トマト、さつまいも(茹でたもの)、
などを食べる
妊娠期間は90~150日で授乳期間は5ヶ月、一度に110~130gの赤ちゃんを1~4頭(通常
は2頭)出産する
生後約1年で親と同じ大きさに成長する
天敵は、ユキヒョウやテン、ワシやタカなど
頭を先にして木を降りることができる
ワシントン条約で保護されているため、ペットとして飼育することは出来ない
チャームポイントフサフサした被毛、モフモフのしっぽ、丸い目

名前の由来

現在は、「パンダ」といえばジャイアントパンダを連想しますが、実は、レッサーパンダが先にヨーロッパで知られていて、半世紀近く「パンダ」と呼ばれていた時期がありました。

その後、ジャイアントパンダが発見されて、その食性が似ていることからレッサーパンダの仲間として、「ジャイアントパンダ」と名付けられました。ジャイアントパンダの方がインパクトが強かったためか、その後パンダといえば、ジャイアントパンダのイメージが定着したといわれています。

もともと「パンダ」と呼ばれていたレッサーパンダは、ジャイアントパンダと区別するために「Lesser(より小さい)」を付けて呼ばれるようになりました。

英名の「Red Panda」は、名前の通り、パンダが赤い色をしていたことからつけられたようです。

以前は、ジャイアントパンダとレッサ―パンダは仲間と考えられていましたが、現在は、ジャイアントパンダはクマ科、レッサーパンダはレッサ―パンダ科に分類されており、類縁性は否定されています。

種類

レッサーパンダは、生息地によって2種類に分類されています。

いずれも口やその周辺部分、頬、耳の縁は白色で、腹部と足は黒色、尻尾には輪状の模様があります。

シセンレッサーパンダ

Red-Panda-sisen
シセンレッサーパンダ

日本の動物園で飼育されているレッサーパンダの多くが、シセンレッサーパンダで、飼育頭数は日本が世界一。

被毛は赤茶色で体が大きく、尻尾の輪上の模様がはっきりしている。

主な生息地は、中国南西部、ミャンマー北部。

ネパールレッサーパンダ(ニシレッサーパンダ)

ネパールレッサーパンダ

被毛は薄茶色で、尻尾の輪上の模様は淡い。シセンレッサーパンダよりも小柄。

主な生息地は、ネパール、ブータン、インド北東部、中国の一部。

日本では現在、静岡県の「熱川バナナワニ園」でのみ、飼育されている。

生態

レッサーパンダは、インド、中国、ネパール、ブータン、ミャンマーの標高1,500~4,000mの森林地帯に生息しています。特に冬は雪が降り積もり、厳しい環境で過ごしています。

天敵から身を守るため、一日の大半を樹上で過ごすことが多く、普段は単独行動ですが、繁殖期(6~8月)には雄と雌がペアでいたり、子育て中の母レッサーパンダが子供と一緒にいたりします。雄は子供の世話はしませんが、一緒に遊んだりします。

レッサーパンダは、縄張り意識が強く、縄張りに侵入されると後ろ足だけで立ち上がり、バンザイのポーズで自分を大きく見せて威嚇します。警戒して周囲の様子を伺う時や、動物園でエサを催促する時もこの体勢になります。

二本足で立つレッサーパンダ

身体的特徴

レッサーパンダは、肛門の周辺にある臭腺を岩や木にこすりつけてマーキングをして縄張りを主張する。マーキングは発情期である1~3月に頻繁に見られる。特にオスは縄張り意識が強いため、メスよりも多くマーキングを行う。

40cmほどある長い尻尾は、木の上でバランスをとるのに役立ち、寒い時には尻尾を体に巻き付けて毛布のような役割も果たす。

他の感覚器官については、耳はとてもよく、小さな音にも敏感に反応する。目は他の肉食動物と同様に前を向いて並んでいて、色はあまり見えていない。黒っぽい鼻は臭いにとても敏感である。

レッサーパンダには、他にも様々な身体的特徴がある。

被毛

被毛は長くて柔らかく、四肢の足裏も毛で覆われている。これは、生息地の雪の積もる山林での暮らしに適応して寒さから身を守るため、または樹上で滑るのを防ぐため、と考えられている。

足裏からも臭いのある分泌液が出ていて、歩き回ることで自分の臭いをつけてマーキングをすることができる。

背中が茶色でお腹が黒色なのは、天敵に見つからないための保護色といわれている。鷲などが空から見た時には、背中の茶色が土のように見えて、樹上にいる時に地上にいる肉食獣から見た時には、お腹の黒色が影のように見えて、見つかりにくくなると考えられている。

第6の指

四肢にはそれぞれ5本の指があり、全てに鋭い爪がついている。鋭い爪は、樹上で移動する際に役立ち、部分的に出し入れすることができる。

前足には「第6の指」と呼ばれる、親指の付け根にある、橈側種子骨(とうそくしゅしこつ)が発達してできた、指のような形をした骨の突起がある。小指側にある、副手根骨(ふくしゅこんこつ)も発達していて、この2つの骨の突起と5本指を合わせて使うことで物を掴むことが出来る。ジャイアントパンダも同じ特徴を持っている。

これらの突起があることで、好物である竹や笹のような細いものや、果物などを器用に持って食べる事が出来る。

なぜ二本足立てる?

レッサ―パンダが威嚇などをするときに、二本足で立てるのはなぜだろうか?

二本足で立つポーズが可愛らしくて一躍人気者になった、千葉市動物公園の「風太君」。実は、風太君以外のレッサ―パンダも皆同じポーズができるが、それは歩き方に秘密がある。

哺乳類には歩き方が3種類あり、「指行性」、「蹄行(ていこう)性」、「蹠行(しょこう)性」と呼ばれている。

指行性地面に指だけをつけて歩く歩き方(犬や猫など)
蹄行性地面に蹄(ひづめ)をつけて歩く歩き方(馬や牛など)
蹠行性地面につま先からかかとまでをつけて歩く歩き方(レッサーパンダや猿、人など)
おねだりポーズ♪

レッサーパンダは人間と同じ蹠行性で、地面と接する足の部分が多くて安定性があり、立った状態を維持し易いため、二本足で立つ事が出来る。

絶滅の危機

レッサーパンダは現在、「レッドリスト(国際自然保護連合(IUCN)が作成している絶滅危惧種のリスト)」に登録されています。

個体が減少した原因は、森林の伐採などで生息地が消失、分断されて、レッサ―パンダの住処が失われていることや、毛皮やペット目的の乱獲、飼い犬によりジステンバーウイルスなどの病気が持ち込まれたことなどがあげられます。また、気候変動がもたらす、山火事や洪水などによる生息地の減少や食糧不足の懸念も脅威になっています。

現在、生息地をはじめ、世界各国でレッサ―パンダの保護活動が行われています。日本でも多くの動物園でレッサ―パンダが飼育されています。

レッサーパンダにはGSMP(Global Species Management Plan(国際種管理計画))という国際的な管理計画があり、この計画を基に、日本国内の動物園で血統管理が行われていて、レッサーパンダの種の保全に貢献しています。

今後も末永くレッサーパンダが見られるよう、世界規模で行われている保護活動に、日本の動物園も積極的に参加しているのは素晴らしいですね。レッサーパンダの可愛らしい姿を見に動物園へ足を運んでみませんか?