梅は、春先に赤や白の可愛らしい花を咲かせて、人々の目を楽しませてくれます。寒い季節の終わりを告げる梅の花について、種類や特徴、花言葉などからその魅力に迫っていきます。
特徴
科名 | バラ科 |
英語名 | Japanese apricot |
開花期 | 1月~3月 |
色 | 赤、白、ピンク |
原産地 | 中国 |
おすすめの環境 | 日当たりと水はけのよい場所を好む 日光が全く当たらないと花付きが悪くなる 風通しが良すぎると、弱りやすいので注意が必要 |
その他の特徴 | 梅の正確な渡来時期は不明だが、奈良時代以降に栽培が日本各地で盛んになり、江戸時代 以降に品種改良が進められたといわれている |
栽培のコツ | 庭植えでは、完全に根付いた後は雨水のみで充分なため、水やりは必要ない 鉢植えでは、土の表面が乾いたら水やりをする |
花言葉
全体の花言葉と花の色ごとの花言葉があります。
全体 | 高潔、忠実、忍耐 |
赤 | 優美 |
白 | 気品 |
種類
梅には、観賞用の「花梅(はなうめ)」と、実を食用とするために品種改良された「実梅(みうめ)」があり、全体でおよそ400種類の品種があるといわれています。
花梅はさらに、「野梅系(やばいけい)」、「緋梅系(ひばいけい)」、「豊後系(ぶんごけい)」に分類されています。この3グループはさらに、木の性質や花の特徴などから「性(しょう)」というグループに細かく分けられていて、「3系9性」の分類法が知られています。
今回は花梅の主な品種を紹介します。
野梅系(やばいけい)
野梅から変化した原種に近い梅。枝が細く、トゲ状になることがある。花や葉は比較的小さいが、とても良い香りがする。枝の内部が白いのが特徴。
野梅性(やばいしょう)
花は中輪で、花色は白色や淡紅色が多く、香り高い。若枝は緑色で、日焼けをすると赤くなる。枝は細く、葉は比較的小さくて表面に毛がない。

紅筆性(べにふでしょう)
蕾の先端が紅色で、紅筆のように見える。花色は白色やピンク色で、枝は細く、葉は比較的小さい。

難波性(なにわしょう)
花は八重で、花色は白色や淡紅色、枝は細く、密に茂り、矮小(丈が低く小さい)気味。葉は丸く、香りがよい。挿し木可能のものが多い。

青軸性(あおじくしょう)
花色は青白く、若枝は緑色で、日焼けをしても赤くならない。萼(がく)も緑色。枝は野梅性より太く、葉は比較的小さい。

緋梅系(ひばいけい)
野梅系から変化したもの。ほとんどの品種は花色が紅色で、枝や幹の内部が赤いのが特徴。枝の外部も赤いものが多い。葉は比較的小さく、庭木や盆栽などに人気がある。
紅梅性(こうばいしょう)
花は中輪で、花色は明るい紅色、稀に白いものもある。若枝は日焼けしても緋梅性ほど濃くならず、緑色を帯びる。

緋梅性(ひばいしょう)
花色は濃い紅色や緋色(濃赤色)。若枝が日焼けすると黒褐色になる。樹勢(樹木が生長する勢い)が弱いものが多い。

唐梅性(とうばいしょう)
花色は開花初期はピンク色や紅色で、最終的に白色になる。花が下向きにうなだれたように咲く。

豊後系(ぶんごけい)
野梅と杏(あんず)との自然雑種。枝は太く、葉が大きい。花は杏に似て大きく、ピンク色のものが多い。
豊後性(ぶんごしょう)
杏との雑種性が強い品種。花は大輪で花色は淡紅色。枝はやや太く、樹勢が強い。葉は大きくて丸く、表面に毛がある。

杏性(あんずしょう)
花色はピンク色。豊後性より枝が細く、葉が小さくて、表面に毛がない。若枝は細く、日焼けすると灰褐色になる。
花梅は、系統ごとに特徴のある咲き方をします。

梅の花は、色や大きさや枝の勢いなど、様々な特徴から多くの種類があります。自分好みの梅を見つけに梅の名所へ出かけて、春の兆しを感じるのも素敵ですね。
食用の実梅の詳細については、梅酒や梅干しに合う梅の種類と特徴で紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。